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西暦2000年と転調(随想)

ずっと以前にこのブログで転調と移調のお話をした事があります。
転調とは曲の途中で調が変わる事、
例えばAメロがC(ハ長調)でBメロになるとF(ヘ長調)に、
歌部分はA(イ長調)なのに間奏で突然F#m(嬰ヘ短調)に…と言った具合で、
聴く側はそのたびに風景が変わるような、場面が転回するような感覚を覚えますし、
作る側もそれが目的である事がほとんどです。

転調にも色々なパターンがあり、ある程度流行もあるようです。
歌謡曲の場合、70年代~80年代だと1曲の中での転調は全くないか、
あってもAmからAに…などと非常にわかりやすいものが多かったのですが、
90年代に入り、小室哲哉さんの音楽がブームになると、
小室さんの音楽では珍しくなかった突然の大転調
(従来に見られなかったパターンの転調、と言う意味です)に影響されてか、
他の歌手・グループも転調が入る曲ばかりになっていった感があります。

私は個人的に、音楽界が活況を呈した最後の年が西暦2000年と思っていて、
その年に発売された曲は今も大好きなものが多くあります。

・Secret of my heart(倉木麻衣) ・愛情(小柳ゆき)
・ハッピー・サマー・ウェディング(モーニング娘。)
・SEASONS(浜崎あゆみ) ・ミュージック・アワー(ポルノ・グラフィティ)
・ボーイフレンド(aiko) ・ナンダカンダ(藤井隆)
・Wait & See~リスク~(宇多田ヒカル) ・さよなら大好きな人(花*花)
・月光(鬼束ちひろ) ・今夜月の見える丘に(B'z)
・TSUNAMI(サザンオールスターズ) ・LOVE2000(hitomi)
・夏の王様(Kinki Kids) ・忘却の空(SADS)

…等々、現在よりも遥かに音楽的にもサウンド的にもバラエティが豊かで、
心に残る曲が多く発売された年でした。

そしてその多くが、曲中で容赦なく転調しているんですよね(^^)

「ハッピー・サマー・ウェディング」はD(ニ長調)とF(ヘ長調)を
行き来している程度でまだ穏やかですが、
「Secret of my heart」はB♭(変ロ長調)で始まってサビで同じキーの短調である
B♭m(変ロ短調)になり、2コーラス目が終わってB(ロ長調)→A(イ長調)
→Am(イ短調)と来て、最後に半音上がって最初のサビと同じB♭mに…と
目まぐるしく変わります。

しかしそれはただのこけおどしではなく、例えばBに変わる部分では何か晴れやかな
気分を感じるなど、シーンの切り替え効果が明らかにあるんですね。

意外なのは「Wait & See~リスク~」で、宇多田ヒカルさんの楽曲は
親しみやすいわりには音楽的に難解に思えるものが多い中、
この曲は最後近くで半音上がる転調があるだけで、それまではずっと同じ調、
それもFm→E♭→D♭M7→C7 をひたすら繰り返しているだけと言ったパターンであり、
半音転調後もその循環は変わらないんです。
ただそれに乗っている歌の節回しが独特だったり(特にE♭の時のメロディーは特異です)、
自身によるコーラスワークが色彩感や立体感を豊かにしていることで、
単純な曲には感じられない仕上がりになっているんですね。


そんな2000年の楽曲の中でも、私が今も「何だこりゃ」と思いながらも
大好きな曲の一つが「LOVE AGAIN~永遠の世界~」(Shela)です。
Love Again.jpg
ハッキリ言って歌詞は好きでないのですが、
こんなにコロコロ転調し、sus4やディミニッシュを使い放題と言ったコード進行なのに、
それに乗るメロディーが美しく、スムーズなんですね。

ただ長年、1箇所だけ大きな「?」があるんです。
2コーラス目が終わり最後のサビに行くまでの間に6小節ほどのブリッジ
(つなぎのメロディー)が入ります。
そこはコードがGM7。 ストリングスがそのM7であるF#音を白玉で引っ張っているのですが、
そこに乗る歌メロはその半音上のG音で始まるんです。
その二つの音の関係は、完璧なまでの不協和音。
普通はF#m音で始まるメロディーにするか、ストリングスの方をG音の白玉にします
(セオリー通りにするならB音かD音の白玉、かな)。
何か特殊効果か?とも思ったのですが、私には今でもその効果は理解できないでいます。
歌う方も音を取りにくいのではないかな。

この曲は今もミュージックビデオがYouTubeにアップされていますし、
私も7年ほど前に「オリカラでピアノ」で演奏させて頂いたので、
良かったら確かめてみて下さい:
https://www.youtube.com/watch?v=DKmT4Wv4Mb0

因みにこの曲はAメロはB♭m(変ロ短調)、BメロはE♭m(変ホ短調)、サビはF#m(嬰ヘ短調)、
ブリッジはBm(ロ短調)と次々に転調し、
最後の最後はsus4(F#sus4)で終わる、非常に変則的なものとなっています。

こんなに転調ばかりだと、もし急に移調(キーを変える)が必要になった時には、
オケの演奏者が混乱するのは必至ですね(^^ゞ
でもパズルみたいで面白かったりして。

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…今回は久しぶりに随想(っぽいもの)を書かせて頂きました。
読んで下さってありがとうございます。

次回は元通り、「あの頃の」ヒット曲の解説をさせて頂きます。
ぜひ、またおいで下さい(^^)/

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