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白い船で行きたいな / 岡崎友紀

夏の曲ですが、今の季節に聴いても何ともさわやかで(^^)

白い船で行きたいな.jpg

チャートアクション

「白い船で行きたいな」は岡崎友紀さんの13枚目のシングルとして1973年7月に発売され、
オリコンシングルチャートで最高32位、同100位内に17週ランクインで7.3万枚の売り上げと、
レコードの売り上げではヒットとは言えない成績に終わった曲ですが、
ラジオではリクエストが集まった曲であるようで、
「サウンドインナウ」(FM東京)のカラオケコーナーにも採り上げられています
(同年9月29日オンエア)。


作家について

作詞は山口あかり氏。 氏は大ヒット作は特にないようですが、「まんが日本昔ばなし」(TBS)
のエンディングテーマ「にんげんっていいな」はよく知られていますね。
「白い船で…」では、1コーラス目のAメロに ♪このレモンと紅茶をくださいな♪ との
歌詞を採り入れ、その1行に当時の岡崎友紀さんのイメージを凝縮しているように感じられます。

作曲は平尾昌晃氏。 岡崎友紀さんの楽曲はこれが初であるようです。

編曲は竜崎孝路氏。 同年(1973年)に「若葉のささやき」(天地真理)で
レコード大賞編曲賞を受賞するなど、大活躍していた時代ですね。


楽曲について

曲調としては、1970年代の典型的なアイドル歌謡と言った趣で、
当時の岡崎友紀さんのイメージそのままに、明るさを武器にひたすら突き進む勢いです(^^)

リズムは基本8ビートで、サビにタンバリンが16ビートで刻みだすと言ったパターンもやはり
アイドル歌謡そのものです。

キーはGメジャー(ト長調)で、他調に渡る転調はありません。

メロディーは歌謡曲よりも童謡に近いもので、例えば筒美京平氏や都倉俊一氏の作品とは違い、
仕掛けが全く感じられないストレートな作りです。

そしてAメロ、Bメロ、Cメロが明確に、わかりやすく分かれています。
そのあたり、メロ譜で確認してみて下さい:
白い船で行きたいな score.jpg
コード進行も同様で、ギターを習い始めた人でも練習すればすぐマスターしてしまうのでは、
と思えるほど至極単純なものです。

全体にとても明るく、ラジオで流れてくるとホッとするような曲なのですが、
あまりにアクや仕掛けが無さすぎ、耳が肥えてきていた当時の若いリスナーには物足りなく
感じさせてしまいそうで、それがレコードの売り上げが伸びなかった要因かも知れません。


アレンジとサウンドについて

そのような曲なので、編曲とサウンドにはより新味が求められたようです。
イントロでいきなり、当時はまだ珍しかったシンセサイザーが用いられているのが
その一つの解決策であったと思われます。
竜崎氏は同年9月発売だったキャンディーズのデビュー曲「あなたに夢中」でも、
「白い船…」とはまた違うシンセサイザーサウンドを効果的に使用していますね。

作家は違いますが「私は忘れない」で印象的だった金管楽器のコルネット、
その温かみのある音色がここでも用いられています。
全体のアレンジの組み立て方はやはり「私は忘れない」が手本となっているようですが、
ストリングスはチェロもしっかりと聴かせるアンサンブルとなっていて、
ストリングスアレンジが得意な竜崎氏の手腕が表れたものでしょう。

ギターは左寄りにアコギがストローク、右寄りにエレキギターが2・4拍のカッティングで演奏し、
コード感をしっかりと作り出しています。
このエレキギターの音、1971年に大ヒットした「花嫁」(はしだのりひことクライマックス)
でのギターサウンドによく似ているのは、同じ東芝レコードだからでしょうか(^^;)


「白い船で行きたいな」で使われている楽器とその定位は:

左: ストリングス(バイオリン) タム(ドラムス)

左-中央: アコースティックギター
 
中央: シンセサイザー ベース ドラムス(キック、スネア、ハイハット)
   女性コーラス(3パート) コルネット 電気ピアノ タンバリン

右-中央: エレキギター タム(ドラムス)

右: スチールギター ストリングス(チェロ)

イントロでは主メロを電気ピアノと女性コーラスが担当していますが、
そのコーラスが私には ♪ニャニャニャ…♪ と聞こえます(^^)


岡崎友紀さんは高音域になるとファルセットを多用するタイプですが、
この曲では終始、地声で通しています。
レコードで聴くと、しっかり、ハッキリと発声している事がよくわかります。
低音域が充実した太い声質ですね(^^)

1コーラス目では ♪…心は雲の上♪(Bメロ)、♪…あの日よ♪(Cメロ)で少しだけ
タメを入れているのが、2コーラス以降では全く譜面通りに歌っているのが面白いですね。


付記

今思うと、岡崎友紀さんはあれほど人気があり、歌番組の出演も多かったのに、
歌では大ヒット作が無かったのが不思議です。

逆に考えると、当時ヒットした曲は歌手の人気にはあまり関係がなく(全く、ではないですが)、
大衆が良いと認めた曲だけが売れた、と言う事なのでしょう。

なので、歌手(すみません、「アーティスト」の呼称はどうも好きでなくて…)の人気次第で、
曲の出来など関係なく売れる・売れないがほぼ決まってしまう現在とは違い、
当時の歌手や作家は良い音楽を創り出す事に大きなやり甲斐を感じていたに違いありません。

そんな時代にヒットせず終わってしまった曲も、改めて聴き直してみると良く出来ていて
「なぜこれが売れなかったのか」と思う事もしばしばです。
勿論、箸にも棒にもかかりそうにない曲もありましたが(^^;)

岡崎友紀さんの楽曲も、私も正直なところ多くは知らないのですが、
今回の「白い船で行きたいな」も、本人のイメージを大切に、親しみやすさを前面に出して
世にアピールしようとしている事が感じられる1曲であると、私は思います。

当時の岡崎友紀さんを「明るさを武器に突き進んで…」と先述しましたが、
この曲が発売された頃に放映されていた「ママはライバル」は、
「おくさまは18歳」「なんたって18歳」の路線とは違い、転校生が同い年の継母に…
とやや複雑なドラマであり、翳りを感じさせるキャラクターに変化しつつあった、
と言えるかも知れません。

ところで…とても細かい事ですが、
この曲のBメロ ♪このままどこかへ行きたいな…♪ に続くシンセと電気ピアノによる
オブリガートで、電気ピアノの演奏が一瞬コケているのが、よく聴くと確認できます
(カラオケだとあからさまに…(^^;))
その部分だけ聴いてみましょう:

サウンドからすると明らかにマルチトラックで制作されているので、
パンチイン・アウトでいくらでも修正できそうに思えるのですが…時間が無かったのかな(^^;)


「白い船で行きたいな」
作詞 : 山口あかり
作曲 : 平尾昌晃
編曲 : 竜崎孝路
レコード会社 : 東芝音楽工業
レコード番号 : TP-2884
初発売 : 1973年7月25日

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