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私のハートはストップモーション / 桑江知子

クイズの答はこの曲です(^^)

私のハートはストップモーション.jpg

「私のハートはストップモーション」は桑江知子さんのデビュー曲として
1979年1月に発売され、オリコン最高12位、同100位内に14週ランクインし
14.9万枚の売り上げを記録するヒット曲となりました。

ポーラ化粧品のCMソングとして起用され、化粧品のCMソングが注目され
ヒットするパターンを作った先駆けと言われている曲ですね(^^)


デビュー当時の桑江知子さんは、テレビで観る印象は無表情で眼光が険しく、
少々とっつきにくい雰囲気を感じたものですが、
現在はその頃とは全く変わりほがらかで、デビュー当時しか知らない人が見ると
まるで別人のように映ると思います(^^;)


作詞は、すでに狩人の「あずさ2号」などのヒットを持っていて、「私の…」以後も
河合奈保子さんの一連のヒット曲や一風堂の「すみれSeptember Love」などを手掛けた
竜真知子氏です。


作曲は都倉俊一氏、編曲は萩田光雄氏で、翌年には同じコンビで
郷ひろみさんの「若さのカタルシス」がヒットしました。


萩田光雄氏は、2009年に発売された桑江知子さんの最新シングル「うんじゅぬ島」
でもアレンジを担当しています。

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「私のハートはストップモーション」は歌詞、メロディー、アレンジのどれもが
ユニークのかたまりと言った感じで、
作り込み過ぎて大ヒットに至らなかった気はするものの、
現在でも認知度と人気の高い楽曲なんですね(^^)


キーは Eメジャーで、転調等はありません。


曲の構成は頭サビ+2コーラスで、各コーラスの後半がまたサビと、
徹底してインパクト狙いをしていますね(^^;)
最初からCMソング(当時は「コマソン」なんて呼ばれていました)として
制作されたのでしょう。


Aメロ: ♪ああ私のハートは…あなたをはなさないわ♪
Bメロ: ♪マンションのエレベーター…ああせつなすぎる♪
A’メロ: ♪ああ私のハートは…あなたをはなさないわ♪

となり、全体では イントロ・A・B・A'・間奏・B・A’・コーダ となっています。


テンポは80BPMほどのゆったりしたもので、A・A'が16ビート、B が8ビートですが、
全体を通して歌メロは16分音符が多用されているので、
テンポのわりにスピード感があります。


コード進行は 7th や M7th 等の4和音が多用されていて、特に Aメロでは
その7th や M7th がメロディーの音としても使われ、
ニューミュージックっぽい雰囲気を作っています:

♪ああ 私のハートは…出逢ったまぶしさに♪
E/B・AM7・G#m7・F#m7・B7・E6・EM7

♪…通りすぎるなんてできないわ ノックも♪
F#m7・B7・G#m7-5・C#7

♪なしに…私あなたをはなさないわ♪
F#m7・Am6・E/G#・Gdim F#m7・B7・AM7・EM7

… このような、風向きを変えるようにディミニッシュ(dim)を使う手法は、
同じ萩田光雄氏編曲の「セカンド・ラブ」(中森明菜)の ♪あなたのセーター
そで口つまんで…♪ の部分にも応用されています。


Bメロでは、8ビートのリズムとなると同時に4和音コードが少なくなり、
メロディーも歌謡曲本来の流れを持ったものになっています:

♪マンションのエレベーター…熱い視線♪
 E・G#m・A・C#7 F#m・Am6・F#9・B7

♪春先によくある…ああ切なすぎる♪
 A・E/G#・G#7・C#m F#m・B7・A・E


イントロ、間奏、コーダ(エンディング)には Aメロと共通するような
コード進行が用いられて歌謡曲っぽさが薄まっており、
さらにコーダの終わりでは AM7・CM7・B7・EM7 と、それまでに一度も使われていない
CM7 が使われ、変化を作っています。


A、A' メロは、メロディー自体がメカニックで畳みかけるような感じ、
そしてBメロでは歌メロはスムーズながら歌詞のはめ込み方が面白いんですね(^^)

特に ♪春先によくある アクシデントなのに♪ の「アクシデント」には
おおよそあり得ないアクセントを持たせています。
私は最初「冗談か」と思ったほどで、良否は別として
インパクトが強いのは間違いないですね(^^)

A' でも ♪こんな熱いショック はじめてよ♪ の「ショック」は
シンコペートしているメロディーにピッタリですね(^^)


AメロとA’メロとでは、歌メロの終止音が異なっています。
A では素直にドで終わっていますが、
1コーラス目の A'ではミ、2コーラス目の A'ではミ→ソで終わっています。
これも歌謡曲らしからぬ部分と言えます。 (注:移動ド表記です)

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「私のハートはストップモーション」は、歌い出しのタイミングが
非常に難しく、当時、桑江知子さんもそこでコケてたのを
私は一度目撃してしまいました(^^;)

それはひとえに、イントロでシンセのパートが終わり
ストリングス等の演奏となるメロディーが半拍遅れで始まるからで、
聴く側はその後が翻弄され変拍子のような効果が出る一方、
歌う立場としては気を抜くと「あ、あれ?」となってしまうんですね。

しかしそこは実際には変拍子ではなく、4/4拍子を保っているので、
頭の中でカウントしたり、指折りしたりで4/4拍子を意識し、
イントロ最後の1拍で「ああ」と歌えばすんなり入れます(^^)

でも実際には理屈よりも体感で覚える方が早くて確実かも知れません(^^)

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「私のハートはストップモーション」で使われている楽器とその定位は:

左: 女性コーラス ストリングス アコースティックギター シェイカー

中央: ドラムス ベース シンセサイザー×3 イングリッシュホルン コンガ ピアノ

右:  女性コーラス ストリングス エレキギター ハープ 電気ピアノ

…とかなり多くの楽器が使われており、さらに中央のシンセサイザーにかかった
ディレイ音が右、右の電気ピアノにかかったディレイ音が左に定位と、
ミックスも手が込んでいます。


イントロの、リバーブがたっぷりかかったハープとストリングスによる
♪・ソラシ ドレミファ ソラシド レミファソ…♪ のメロディーが印象的ですね(^^)


ストリングスはチェロは入っていないようで、
第1バイオリンの半分(3人分)が右に定位しているように聴き取れます。


シンセサイザーは3種類ほどの音色が使われていて、
1つ目は ♪私のハートは…♪ に続くフルートかリコーダーのような音、
2つ目はイントロや間奏でリードをとる、アタックを速めたブラスのような音、
3つ目は A、A'で歌メロのオブリガードや Bに入る直前に使われる、
ハープシコードにキラキラ感を加えたような音、なんですね。

その2つ目と3つ目の音にはディレイがかけられ、そのディレイ音を
右に定位させて広がり感を出しています。
但し歌メロの部分ではディレイ音は消してあるようです。


ギターは左にアコギ、右にエレキが配置され、
両方ともほぼ同じパターンのコードカッティングを行っています。


全体のサウンドとしてはシンセサイザーとストリングスが主導で、
ハープ、ギター、ピアノがハーモニー感を支え、
女性コーラスがリードヴォーカルを効果的にサポートし、
♪春先によくある…♪ の部分にはイングリッシュホルンが登場…と、
次から次にパッチワークのように様々な楽器音が現れて、
春らしいカラフルなアレンジですね(^^)

イングリッシュホルンとは、その名に反して木管楽器で、
オーボエの音域を低い方にシフトした感じの豊かな音色を持っています。
「学生街の喫茶店」(ガロ)の間奏で使われている、と言えば
納得してくれる人が多いのではないかな。

このようなメカニックな曲にイングリッシュホルンのような素朴な音が入ると、
何だかホッとするものを感じますね(^^)
このような楽器の起用は、筒美京平氏の影響かも知れません。


音の種類数、また制作された年から判断すると、レコーディングには
24トラックのアナログマルチトラックレコーダーが使われたのでしょう。
レコーディングはもとより、ミックスにも
かなりの手間と時間が掛かったものと思われます。

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今回はかなりの長文になってしまいましたが、
実はこれでも全然書き足りてないんです(^^;)

特にアレンジとミックスについてはまだまだで、
実際に音を出したり楽譜を出したりしてレクチャーしたいほどです。

それほど、奥の深い楽曲だと思いますので、
機会があったらぜひ聴いて楽しんで下さい(^^)


「私のハートはストップモーション」
作詞 : 竜真知子
作曲 : 都倉俊一
編曲 : 萩田光雄
レコード会社 : SMS
初発売 : 1979年1月25日

お知らせです。
「赤と黒」(岩崎良美)のソロピアノ譜を作ってみました。
興味を持って頂けましたら直メール(プロフィールに記載してます)で
お問い合わせ下さい(商売ではないですよ)。

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