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夜汽車 / 欧陽菲菲

初めて欧陽菲菲さんの曲を(^^):

夜汽車.jpg

「夜汽車」は「雨の御堂筋」「雨のエアポート」「恋の追跡~ラブ・チェイス」に続く
欧陽菲菲さんの4枚目のシングルとして1972年8月に発売され、
オリコン最高5位、同100位内に24週ランクされ33.6万枚の売り上げを記録しました。

この頃はヒット曲の寿命が長くて、夏真っ盛りの時期に発売されたこの曲も
ランキング番組では南沙織さんの「哀愁のページ」などと共に
ベスト10に入っていたので、私にはどうも秋にヒットしていたイメージがあるんです(^^;)


「雨のエアポート」はそのタイトルからしても、また音楽的な内容からしても
「雨の御堂筋」の大ヒットの勢いが冷めぬうちに日本人の作家でそのフォローを!
と言った作風であったのに対し、
この「夜汽車」はその大ヒットから1年近く経ちもう一度、
筒美京平氏の解釈で「雨の御堂筋」を16ビートのブラスロックとして
構築し直した楽曲であるのでは、と私は思うんです。


のっけの歌詞が「希望と言う名の夜汽車に揺られ」と
岸洋子さんがヒットさせた「希望」と酷似しているのですが、
クレームは来なかったのかな(^^;)


キーは「雨の御堂筋」「雨のエアポート」と同じである Bm 。

2コーラス構成で、各コーラスは A・A・B・A各メロと極めてシンプルです(^^)

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では使われている楽器とその定位を:
(注:私が持っているカラオケはモノなので、以下は歌入りバージョンについてです)


左: エレキギター サックス ストリングス

中央: ドラムス ベース オルガン タンバリン、シェーカー(やや右寄り)

右: アコースティックギター トランペット、トロンボーン ストリングス


このうち、ストリングスは左側に第1・第2バイオリン、
右側にビオラとチェロと分かれているようです。

最初のAメロではピチカート奏法が使われていますが、
全体に動きの大きい筒美氏らしいストリングスを堪能できます。


左に定位し、イントロから派手に飛び出すエレキギターには
オートワウがかけられ、その演奏法と共に
列車が疾走しているイメージを作り出していますね(^^)

そのイントロ、歌入りでは同じフレーズが2回、4小節に渡って演奏されていますが、
「サウンド・イン・ナウ」でオンエアされたカラオケでは
なぜか1回だけ、2小節となっています。


ブラスとストリングスのかけ合いはこの時代の筒美サウンドの真骨頂で、
「夜汽車」でのこのアレンジは、同時期に発売された尾崎紀世彦さんの
「あなたに賭ける」と双璧を成す傑作、ではないかな。


Bメロでわずかにクラリネットの2重奏のような音が聞こえるのですが、
それはイントロで登場したサックスを高い音域で使っているのでは、
と思います。


ベースの動きは、Aメロでは歌に寄り添うようにメロディアスに、
Bメロでは機械的に…とそのパターンを大きく変えて、
メリハリが感じられる演奏なんですね。


そしてどの楽器音も非常にクリアで、恐らく通常よりもオンマイク、
即ち楽器により近くマイクをセットして収録されているものと思われます。

特にイントロでギターとかけ合っているバスドラムとハイハットは、
バスドラムのわずかな胴鳴りやスティックがハイハットに当たる音まで
聞き取れるような、オーディオ的にとてもそそられるサウンドです(^^)


音楽的には、転調もなく素直なコード進行が続くのですが、
Bメロの ♪さよなら グッバイ メランコリー♪ では
Em→Bm→ と来て G7→F#7 となっており、その G7 のやや意外な響きが
歌謡曲離れしていてカッコいいんですね。

同じようなコード進行が南沙織さんの「バラのかげり」にも使われていて、
その事は「バラのかげり」の回にも少し書かせて頂きました(^^)

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さてこの曲、デビュー1周年を記念し1972年7月に開かれたリサイタルで
新曲として披露されたのですが、
その時にゲストとしてこの曲の作者である橋本淳氏と筒美京平氏が
ステージに登場したんですね(!)
この時の司会は、今年7月に亡くなった宮尾すすむ氏でした。

その時のやりとりは:
筒美氏:「別に何も言う事はないけど…」
宮尾氏:「今日は何かプレゼントがあるんだそうですね!」
筒美氏:「そうですね、新曲」
菲菲さん:「アッ…新曲?」
筒美氏:「練習してみましょうか?」
菲菲さん:「レンシ??」
筒美氏:「練習!」
菲菲さん:「ア、レンシュウ練習、わかりました、ハイ!皆さん、きくきくよ! 
     …きびしいセンセイ二人いるよ」(観客笑)

やがて筒美氏の弾くジャズっぽいピアノに合わせ静かに ♪希望と言う名の夜汽車に揺られ
女心はどこまでゆくの…♪ と、そこまでですがスローテンポでしっとりと歌われ、
次にフルバンドをバックにアップテンポの演奏・歌唱となるんです。

その演奏にはオリジナルよりもブラスセクションのパートが多く、しかししっかりと
ストリングスも入っているので、スタジオ録音を凌駕するほどの迫力があります(^^)


そのリサイタルは同年にライブ盤として発売されたのですが、
私は翌年にそれがそっくりNHK-FM「ひるのミュージック・コーナー」で
放送されたものをエアチェックし何度も聴いたものです(^^)

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欧陽菲菲さんは「雨の御堂筋」から12年後に「ラブ・イズ・オーバー」で
再びオリコン1位を獲得しましたが、
私には「雨の御堂筋」から「恋の十字路」までの6曲があまりに印象深く、
菲菲さんにはどうしても、バラードよりはロック歌謡を求めてしまいます(^^;)


1972年10月頃オンエア。


「夜汽車」
作詞 : 橋本淳
作曲 : 筒美京平
編曲 : 筒美京平
レコード会社 : 東芝音楽工業
初発売 : 1972年8月5日

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コメント 12

ひろ

こんにちは。
何だか秋らしくなってきました…。寒いんです…(>_<)
これから嫌いな季節の始まり…憂欝です。

「雨の御堂筋」、「雨のエアーポート」、「ラブ・イズ・オーバー」しか知りません…(>_<) まして御堂筋の印象しかなくてラブでも御堂筋っぽくて…いやイメージがですよ~。で、この「夜汽車」って”和”的な感じがイマイチ…。
さっそく、何処かで聴いてみましょっ。



by ひろ (2011-10-02 13:47) 

ひろ

続けて…聴いてみました。
筒美先生らしいアレンジでした。
橋本先生らしい詩…メランコリー~♪

タイトルとまた違って私の好きなメロディーとアレンジでした。

先に聴いてからの方がいいですね(^_^;)
特に知らない曲は。
by ひろ (2011-10-02 13:57) 

ゆうのすけ

セクシー&エレガンス系の 歌謡曲全盛でしたよね。
子供心に 山本リンダ、夏木マリ、安西マリア、小山ルミ、ゴールデンハーフ・・・とともに 派手で ノリの良い菲菲さんの作品は パンチがあって大好きでした。
カラオケだと このあたりの曲を よく唄うんですよ!^^;
久しぶりに CD引っ張り出して聴いてみましょ!(アポロンから出てたBEST!^^)・・・リサイタルのMCは 気になってたんですが in京都ベラミの おしゃべりコーナーに収録されているんでしょうか?^^
音蔵シリーズで出てたCDを 買わずじまいで・・・。^^;
by ゆうのすけ (2011-10-02 19:57) 

一葉

こんばんは。73年頃までの欧陽菲菲さんのサウンドはどれも現代でも通用するものだと思います。私的ベストは、ソウルを最高の形で歌謡曲に昇華させたと称えたい「恋の十字路」ですね。ボーカルとの掛け合いで入るブラスにいつも泣きそうになります。筒美作品で10本の指に入るくらい、私にとって大事な曲です。疾走感がカッコいい「恋の追跡」も捨てがたいですね(「イン・ベラミ」でのパフォーマンスは鳥肌ものです)。

「夜汽車」はワウギターによる16ビートのカッティングが印象的ですよね。元ネタ云々は無粋かもしれませんが、これはIsaac Hayes「Theme from Shaft」 (71年)をヒントにしたものと思われます。ちなみに(ご存知かもしれませんが)この元ネタの曲はリンリン・ランラン「恋のインディアン人形」の間奏にもそっくり引用されています。リアルタイムのソウルミュージックへの目配せも欠かさなかった京平先生ならではですね。

イントロのバスドラとハイハット、確かにすごくハイファイですね。ただ、録音が非常に良いというのは、この時期の東芝録音一般にもある程度言えるような気がします。機材的な問題なのでしょうか?

♪さよなら グッバイ メランコリー♪ はこの曲の重要なフックだという印象は持っていましたが、やはりコード進行的にも意外なチョイスなのですね。私はコードはチンプンカンプンですので、いつものことながら非常に勉強になります。

「あなたに賭ける」と双璧を成すというご指摘、全く同感ですが、私はさらに
そこに平山三紀さんの「月曜日は泣かない」を追加したいと思います。それにしても、72年の筒美作品の量・質に改めて驚愕する次第です。

ベースの話が出ましたが、私は「恋は燃えている」での凄まじく早弾きで歌よりも目立っている(笑)ベースが印象深いです(プレイスタイルからして寺川氏だと思います)。

by 一葉 (2011-10-02 22:37) 

KihachiNO.1

フィーフィーさんの京平作品ほどベスト5(なり10なり)が作りにくいモノはありません!!
どれを取っても分厚くてパワフル、緻密なサウンド!
(ブラスや、『恋の十字路』でのシンガーズ・スリー!!)
興奮にして哀愁メロディー!そのテンポに関わらず聴く者を圧倒します。
歌唱の解釈も素晴らしく、『雨のエアポート』の“I Love Youといえないで”の部分など、レコードとTVではノリが縦横無尽に違います。
橋本淳氏の詞が際立つ『雨のヨコハマ』。
“だけど あー
 人形みたい きれいな服きて
 私はひとり”
なぜ、人形みたいにきれいな服着てなくちゃいけないのかサッパリ分からないのに、橋本イズムに取り込まれてしまいます。

おそらく誰がベスト10を作っても、順位こそ違えど曲目は同じになるであろうことから、ベストは日を改めて、個人的にご紹介したい曲を3つ!

『あなたは再び帰らない』(橋本・筒美 「雨のエアポート」B面)
当時日本でパクられまくっていた「ビートでジャンプ」が下敷きなのは一聴すればお分かりとして、メロディーは勿論全然違います。
“捨てられた女”“すがる女”がテーマのフィーフィーさんにはとても珍しく、男を振る歌です。

『雨のティールーム』(同 「恋は燃えている」B面)
京平氏の一方の特徴である、≪夜≫を感じさせる曲。
全編途切れることのないピアノのグルーブ感が見事。ストリングスも要所を押さえます。
何となく、郷ひろみ「魅力のマーチ」を想起させるのですが(別に似てはいませんが)、ちょうど同時期の発売です。

『愛の報酬』(なかにし礼・三保敬太郎 「涙のディスコナイト」B面)
レーサーだった故・三保敬太郎氏の曲はどれもブラスが効いて、スピード感満点です。
勿論、この曲もその代表といって良い、疾走感に溢れた曲。

最高傑作を一曲選ぶこともできないほど、傑作、秀作ぞろいのフィーフィーさんソングです!!
by KihachiNO.1 (2011-10-02 23:47) 

ぽぽんた

ひろさん、こんにちは!

タイトルで作品をイメージしたり良し悪しを判断するのは、筒美京平作品の場合
とてもキケンです。 大抵良い方に裏切られます(^^) …逆に言うと、タイトルで
損をしている作品もあると言う事かも知れませんね(^^;)

きっと今頃、ひろさんも「夜汽車」が好きになっている事と思います(^^)

P.S. 今朝は千葉も寒いです(>_<)

by ぽぽんた (2011-10-03 09:47) 

ぽぽんた

卓さん、こんにちは!

昔は今のようにメディアが多様ではなかったので、曲が浸透するスピードが遅かった
事もヒット曲の息が長かった要因の一つかも知れません。 楽曲のレベルの高さの違いも
重要な要因ですが(^^)

確かにこの曲や前作の「恋の追跡」などは派手で一度聴くとしっかり耳に残りますね。
ただ派手なだけでなく細かい音にも配慮が行き届いているのがすごいと思います。

by ぽぽんた (2011-10-03 09:53) 

ぽぽんた

ゆうのすけさん、こんにちは!

この時代の筒美氏作品は傑作揃いですね(^^) こうしていつまでも心に残るのって、
どうしてなんだろう?といつも思って、研究もしているのですが…答えがなかなか出ません。

記事に書いたトークは、ベラミでのライブではありません。 「欧陽菲菲オン・ステージ」と
いうタイトルで発売されたもので、収録場所は大阪フェスティバルホール(カーペンターズの
「ライブ・イン・ジャパン」と同じです)です。
このCDは6年ほど前に発売されたようですが、今では廃盤みたいです。

by ぽぽんた (2011-10-03 09:59) 

ぽぽんた

一葉さん、こんにちは!

「恋の十字路」は東芝時代の欧陽菲菲さんが最後の輝きを放った曲ですね(^^)
オーディオ的な音質の良さは今ひとつですが、それは曲に合わせてあえて音をいろいろと
操作しているからだろうと思っています。
譜割りをわざとずらして聴く人に「ん?何て言ってるんだ?」と関心を惹かせるなどの
計算、高度なコード進行、菲菲さんのパワフルな歌唱、etc…とどこをとっても傑作ですね(^^)

よく研究されていますね! 私はなかなか「あれに似ている!」とわからない方
なのですが、改めて確認すると納得、という感じです。 これからも色々と教えて下さいね!

70年代、特に前半まではレコード会社各社、独自のサウンドを持っていました。
東芝の音は楽器一つ一つを大切に、と言った感じだった気がします。 それは勿論
他社でもそうなのでしょうが、東芝は特に音楽的な音質を追求していた気がするんです。
例えばビクターだと「この音は同じビクターのあの曲にそっくり」と言った事がよくあるのですが、
東芝はそれがあまりない気がするんです。

仰る通りで筒美京平氏の作品は、1972年は前年の勢いがさらに増して素晴らしい曲の
オンパレードなんですね。
そして楽曲の絶対数が非常に多く、そのために編曲を他のアレンジャーに依頼する
事も多くなっていって、それが結果的にまた音楽の幅を広げる事に…といい事ずくめですね(^^)

筒美氏のアレンジではベースはとても重要で、ミュージシャンとしては寺川正興氏を
信頼して起用する事が多かったようです。 私は聴いただけでミュージシャンを
判別する事はあまり得意ではないんです(^^;) キーボードならば少しわかります(^_^)v

by ぽぽんた (2011-10-03 10:26) 

ぽぽんた

KihachiNO.1さん、こんにちは!

何だかもの凄い鼻息を感じます(^^;) 本当に筒美氏、そして欧陽菲菲さんの作品が
お好きなのがビシバシ伝わってきます(^^)

「雨のヨコハマ」は地味めな作品ですが、歌詞が面白いですね。 ♪ひとり来ました港町♪と
ここだけが「ですます」調だったり、長い電話がかけたくて何でクラブを訪ねるのか
不思議だったり… サウンド的には、歌い終わり ♪私はひとり~♪ でフィードバックが
かかるのがとても面白くて好きでした。

「あなたは再び帰らない」は、小学生の頃から大好きでした。 しかしよくわからない点も
あって、まずタイトルが変ですよね。 歌詞からすると「私は再び帰らない」では
ないかと(^^;) また歌詞カードには「…悪い女だったと」とあるのに、歌を聴くと
「悪い女なのと」となっている… でもそんな事はどうでもいいくらい、サウンドと歌唱が
素晴らしいのでやはり好きです(^^)

「雨のティールーム」や「愛の報酬」は私はまだ聴いた事がないので、これから聴いてみますね(^^)
レビューをありがとうございます!

by ぽぽんた (2011-10-03 10:41) 

ひろ

こんばんは~。
確かにこの曲は好きになりました(^_^)
食わず嫌いはいけませんね~。


by ひろ (2011-10-06 20:24) 

ぽぽんた

ひろさん、こんばんは!

良かったです(^^) 私も実は多分に食わず嫌いをしてしまう方なので、自戒も込めているんです(^^;)

これからも、今まで何となく見過ごしていた曲を沢山聴いてみたいですね(^^)

by ぽぽんた (2011-10-07 00:04) 

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