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大昔の自宅録音、略号SOS

音楽を制作するアマチュアにとって今は本当に良い時代で、
PCを使えば録音トラックは無制限、それもノイズや音質劣化無しで、
その気になればいくらでも音を積み重ねられるし、部分的な修正も、
一通り全部録音し終わってからでもいくらでもできます。
そのためのソフトも無料からあります(実際にはマイクや
オーディオインターフェイスなどが必要になりますが)。

しかし私が自宅録音、いわゆる宅録(そんな言葉が知られるようになったのは
私が大人になってからでした)を始めた小学6年、即ち1973年頃には、
大人がやっと買えるのが4トラック止まりで、8トラックや16トラックなどは
完全にプロだけのものでした。
勿論アナログで、オープンリールだけです。

なので当時、学生や一般人は、自分で音楽制作のために多重録音をするには、
方法は一つしかありませんでした。 それは…

サウンド・オン・サウンド!

私が持っていたデッキも含め、当時市販されていたオープンリールデッキの殆どは、
左チャンネルと右チャンネルそれぞれに録音スイッチがあり、
片チャンネルずつ録音したり再生したり、また片チャンネルで録音しながら
もう片チャンネルを再生する事もできました。
つまりモノのレコーダーが2台入っていると考える事ができるんですね。

そんな構造を利用し、例えばマイクで左チャンネルにギターを録音し、テープを巻き戻し、
録音したばかりのギターを再生しモニターしながら新たにピアノをミックスし、
それを右チャンネルに録音する。 それでめでたく一人二重奏が完成します。

それで足りなければ、今度はその右チャンネルに録音された一人二重奏を再生し
モニターしながら歌をミックス、それを今度は左チャンネルに録音すると
一人二重奏+歌で3役をこなしたものとなるわけです。

それらを繰り返せば、何重にでも音を重ねる事ができます。

そういった操作は、ライン入力とマイク入力を同時にミックスできるデッキならば
新たな録音のたびにデッキの入出力での配線を変えれば可能なのですが、
私が持っていたデッキは入力が一系統だったので、それは不可能でした。

そこに救世主のような製品が登場しました。
ソニーのサウンド・オン・サウンド&エコーアダプター、SB-200です。
SB200-1.jpg

当時のソニーは日本で初めてテープレコーダーを商品化したメーカーとして、
その利用価値を高めたいと言ったようなポリシーが確固であったようで、
テープレコーダー(デッキ)の利用範囲が広がるようなアダプター類を
いくつも市販していました。

SB-200もそんな製品の一つで、私が前年(1972年)の誕生日にデッキを買ってもらってから
間もなく発売され、それを知った私はもう、欲しくてたまりませんでした。
で、小学6年の時、誕生日にプレゼントとして買ってもらう事に成功しました。
今も大切に持っています(^^)
SB200-2.jpg

このアダプターは一度デッキに接続すれば、左→右でも右→左でもスイッチ操作で
自由にサウンド・オン・サウンドができ、さらに3ヘッドデッキの特性を生かした
エコー録音もできる優れものです。

ただ、サウンド・オン・サウンドは新しい音をミックスしながらダビングを重ねる
ようなものなので、重ねる度に最初の方で録音した音がぼやけていきますし、
アンプのノイズやテープ独特のヒスノイズも加算されていきますから、
実用になるのは5~6回(=5~6重)が限度でした。

これを使い、そんな限度など無視して20回くらい自分の声を重ねてみたり、
ギターとリコーダーのアンサンブルを作ったり、
FM放送やレコードの音にダブダブにエコーをつけたり…などなど、
様々な実験をして楽しんでいました。
そんな経験が、ブログで書いているようなサウンド分析などに大いに役立ってます。


当時の音はいくつかテープに残っているので、その中の一つを聴いてみて下さい。

小学6年の音楽の教科書に「キラキラ星」の、リコーダー演奏用のバリエーションが
4パターンほど載っていて、授業でも使われました。

授業ではそれぞれ一つずつ習ったわけですが、ふと「これを全部重ねたら
どうなるんだろう」と思いつき、床を叩く音とギターをガイドに
リコーダーを4本分重ねたのが次の音声です。 小学6年の3学期に作ったものです:

最後近くでヨレヨレな演奏になっていますが、これはアレンジでも演出でもなく、
気が緩んで間違えたのがそのまま残っているだけです(そこが子供なんだよねぇ(>_<))
尚、リバーブは後につけたものです。

演奏は幼いのですが、アイディアはまあまあだし6重録音のわりにノイズが少ないかな、
と(完全自己満足の世界です)。


SB-200の内部は配線と抵抗でできていて、トランジスタやコンデンサなど
劣化する部品は使われていないので、
スイッチや可変抵抗器の内部で接触の問題が無ければいつまでも使えます(^^)

****************************************

サウンド・オン・サウンドでは、その時その時での最後の音はやり直しができますが、
それ以前の音は単独にやり直したり、音量やバランス、音色を変えたりなどはできません。

最初に述べたように、今ではPC用ソフトを使う時も、
単独のマルチトラックレコーダーでも、
各楽器音や音声が割り当てられたトラックにそれぞれ単独で入っていれば、
いつでもどこからでも録音し直したり、ミックスでバランスを組み立て直したりなど、
何でもできちゃいます。
なので、ある程度のスキルがあれば誰でも完璧な演奏の音源を作れるわけです。

それは本当に素晴らしい事なのですが、それを「素晴らしい」と思えるのは
サウンド・オン・サウンドを知っているからかも知れません。
今の若い人にとっては、例えばトラック無制限の環境は当たり前ですからね。

しかし、これは以前に書いた事なのですが、今はそういった環境のために表面的な
完璧さばかりを追求し、本来最も大切であるはずの「音楽に魂を込める事」が蔑ろ
(ないがしろ)なっているのでは、と思うんです。

かつての音楽制作は、少ないトラックをどう使うか、やり直しが許されない録音を
どう切り抜けるかなど、常に創意工夫と緊張を伴った作業であったはずで、
そこにそれまでにない音楽性が生まれた作品も数多いと思うんです。
ビートルズの音楽など、まさにそうではないかな。

現在では入れたい音はいくらでも入れられるし、やり直しはいつでもできるし、
演奏は打ち込みでどうにかなるし、下手な歌はいくらでも修正できちゃうし、
どんな効果もソフトで作り出せるし…
と、制作時に創意工夫や緊張を求められる部分がどこにも無いんですね。

しかもそれはアマチュアもプロも同じなので、出来上がった音源を
一般の人が聴いてもアマの作品かプロの作品か判別できない、
そんなレベルになっています。
それが、特に2000年以降にいわゆる「名曲」がなかなか出てこない理由の一つでしょう。
素人でも作れそうな音楽やサウンドでも買いたいと思う人は、そうはいませんからね。

そこで私がいつも考えるのが、ここらでベテランと言われる音楽家達が
お金と知恵を出し合い、プロにしかできない事をどんどんやるべきだ!
と言う事なんです。
そのあたりは機会をみて、持論をいつか書かせて頂きますね。


来週は楽曲解説に戻ります(^^)/

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風の精

お久しぶりです!

今、夜間配送の仕事してまして、待機中にキラキラ星聞きました♪

ちょっと癒されました♪

また、ゆっくりコメント書きますね~(;^_^A
by 風の精 (2014-11-03 03:32) 

JP

近年の音楽のサウンドの質感のチープさの要因として一部に「プロツールズの弊害論」があるみたいですけどどうなんですかね・・・。
by JP (2014-11-03 13:49) 

ぽぽんた

風の精さん、こんばんは!

え、そんな時に聴いて下さったんですか! 何だか恥ずかしいです(^^;)
自分で聴いていても「子供だねぇ」とちょっとニンマリしてしまいます(*^_^*)
コメント、またお待ちしてます(^^)/

by ぽぽんた (2014-11-03 21:35) 

ぽぽんた

JPさん、こんばんは!

Pro Toolsを初めとするPCレコーディングが今は全盛ですが、それを使っている
ミュージシャンなどが「音質がすごくいい」とか言っているわりには、なぜか聴く側としては
退化しているようにしか聞こえない…と思っている人が私以外にも結構、いるようです。
ツールだけの問題ではないとも思いますので、そのあたりも調べてまた記事を書きたいと思います。

by ぽぽんた (2014-11-03 21:40) 

小がめら

こんにちは、小がめらです。

1975年頃だったと思いますが、4トラックとか、8トラックとか言うと、歌詞の冊子を見ながら歌う、音だけのカラオケマシン(エンドレステープのカセットに4曲入り)をイメージするのが、私にはせいぜいです。音のミキシングと言っても、英会話のLL対応ラジカセで音楽に被せて自分の声を入れて遊ぶ程度でした。

本記事を拝読して、同じく1977年頃LPレコードを買って聴きまくったビートルズのステレオの、片方が演奏で、片方がボーカル、というのも1960年代当時の機器制約の中での斬新な試みだったのですね。

私が聴いた1977年には、歌謡曲でも演奏は楽器ごとに左右に分かれ、ボーカルがセンターというのは既に普通に行なわれていましたので、ビートルズのステレオと言うのはなんだかカラオケと歌声のような印象でした。

私もWindows95が出た後、Music Studioっていうソフトだったような気がしますが、購入して音符を並べて石川優子さんのソングブックから「素敵なモーニング」と「夢色気流」などを入力して遊んだ時期がありました。音質はピコピコゲームに毛が生えた程度でしたが、それはそれで当時そこそこ熱中しました。

ただ、何事も辛抱強くのめりこめない性格なのと、ソフトをバージョンアップしたら使い方がワケ分からなくなったこともあり、遠のいてしまいました。

二昔前のガラケーは、着メロダウンロードがなく、自分で音符でメロディーを入れられましたので、娘と合作で小学校の校歌の伴奏をメロディーパートやリズムパートなど、4パートで作りました。今でもその電話機は捨ててないので聴けるかもしれません。

毎度、次元のぜんぜん低いコメントで済みませんが、本記事を拝読して思い出したので書かせていただきました。

それではまた。楽しみにしております。

by 小がめら (2014-11-04 01:20) 

小がめら

追伸:

きらきら星、とてもかわいい演奏になってますね。音楽の教科書の譜面を使って、ミキシングまでした人は、当時ぽぽんたさん以外にはいらっしゃらなかったのではないでしょうか。

SB-200の内部がスイッチと抵抗器だけであれば、まだまだこれからも長く使える気がします。スイッチは録音中に切り替えなければ殆どノイズ出さないでしょうし、摺動抵抗器はいざとなればRSコンポーネンツのカタログあたりを探せば、使えそうな代替品の新品が見つかりそうな気がします。摺動抵抗器は定数もそんなに種類はないですし、さほど大きなワット数も要らないでしょう。

私も高校生の時、ダビングのために複数のカセットテープデッキの入出力を双方向に切り替えたり、どちらの音をスピーカーに出すようにするかを選択するためのスイッチボードを手作りしたのを思い出しました。デッキに録音入力レベルの調整がありましたので、ボリュームまでは使いませんでしたが、結構重宝しました。

それではまた。

by 小がめら (2014-11-04 14:33) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんばんは!

8トラックのカートリッジパックは、私が子供だった頃には主にカーステレオで
使われていました。 4トラックもありましたが、数は少なったようです。
LLも記事に書いたサウンド・オン・サウンドに近いものがあって、LLはモノのレコーダーに
2チャンネルステレオのヘッドを組み込み、片チャンネルずつ、または同時に
録音・再生できるようにしてあるんですね。 サウンド・オン・サウンドに対し
そちらはサウンド・ウィズ・サウンド(sound with sound)などとも呼ばれていました。
それもマルチトラックの一種です。

ビートルズの初期の録音には仰るようにボーカルと演奏をそれぞれ左右に振り分けた
ものがありますね。 クロストークがなければカラオケとして使えますね(^^)

私は小がめらさんより少し遅れて携帯電話を使い始めた頃、3パートくらいの
着メロを作っていた事がありました。 数字で入力していくのでかなり面倒でしたが、
満足できるものができるまでムキになってやってました(^^;)

「キラキラ星」を聴いて下さってありがとうございます。 確かに1973年頃だと、
小学生でそんな遊びをしていた子はそうはいなかっただろうと思います(^^;)
当時は音について物凄く興味があって、学校では放送部に入ってそこでも
あれこれやっていました。 楽しい学校生活でした(^^)

電気工作をされるんですね。 SB-200はパッシブミキサーの応用のような構造で、
アンプ類が入っていないので、ボリュームに問題が無ければ今でも使えると思います。
ただ、一つ欠点があって、パッシブであるためにマイク入力を増幅できず、
そのため出力をデッキのマイク端子に入れて使う仕様になっているんです。
なので、SB-200をつなげたままFMやレコードなどを録音する時、ライン入力を
マイクのレベルまで減衰させ、それをデッキでまた増幅する事になり、
S/N比的に不利になるんです。 実際にはあまり問題ありませんでしたが、
いわゆるオーディオマニアの人は絶対使わなかっただろうと思います(^^;)

by ぽぽんた (2014-11-05 00:07) 

小がめら

ぽぽんたさん、またこんばんは。

ライン入力信号をマイクのレベルにまで下げるときは、確かにちょっともったいないですね。必要であれば仕方ありませんが。

私の作ったスイッチボックスは、ラインアウトとラインインの相互の切り替えのみだったので、基本的には二極双投のトグルスイッチを組み合わせただけの単純なものでした。でも楽曲の多くをFMのエアチェックに頼っていた当時は、編集のために大変重宝しました。

1990年代以降には、オーディオ切替器のような、出来合いで便利なものが出現しましたが、私のはそれと基本的には同じようなものです。

電気工作と言っても、増幅回路などは教科書知識だけで、自分でこしらえたことは殆どありません。専らNゲージのコントロールパックの出力を、運転したい線路区間に供給するためのスイッチパネルを作った、その延長の配線作業です。でも半田付けはそこそこ上手だったと自負しています (^^;)


そういえば、かねがねお尋ねしたかったのですが、当時テープレコーダーの速度調整ってどうなさってましたか? レコードもテープも、アナログ音源は速度で音の高低が変わってしまいますよね。

1980年頃、レコードプレーヤーはターンテーブルのブロックパターンとストロボで、規定の速度より速いか遅いかを確認してボリューム調整できました。

カセットテープデッキは、オープンリールの標準の76cm/secから半分×半分…と来て、規定は4.75cm/secという速度でしたが、複数のデッキを持つと必ず聴いて判る程度の器差がありました。キャプスタンを駆動するモーターやその周辺回路にはトリマがあって、そこを回して速度調節していたのですが、速度の確認には難儀しました。

例えば所定の周波数の単振動音が録音された基準テープのようなものを再生し、それをオシロスコープやギターのチューナーのような機器で測定すれば(プロなら耳でも)判るのかも知れませんが、私はそこまでお金をかけられませんでした。ヘッドクリーニングテープというのは売っていましたが、速度確認用テープというのは見たことがなく…。

そこで私が取った方法は、カセットテープをズルズルと引き出し、巻尺で測って475cm離れた2点にマジックインキで印を付け、1点目をヘッドの下にして再生スタートし、100秒後に止めて2点目との位置差を確認、モーターを微調整する、という作業を繰り返して合わせ込みました。原始的でしたが、一番安上がりな方法だと思ったので。

デジタル化された今は全く関係のないことですが、アナログの時代、マニアの方々やぽぽんたさんはどうなさっていたのでしょうか。

by 小がめら (2014-11-05 08:42) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんばんは!

そうですね、SB-200はプリアンプなしでマイクレベルの信号を扱うので、ライン入力が少々犠牲になってしまっていたんですね。

当時、ピンコードだと録音用・再生用の2組必要なケーブル接続を1本で済ませる事が可能なDIN規格のコードもよく使われていましたが、それも実際にはマイクレベルでデッキに入力していた(そのため、デッキではライン入力ではなくマイク入力で録音レベルを調整するようになっていました)ので、音質的に不利(特にS/N比で)だとよく言われていました。

テープレコーダーの速度調整ですが、非常に難しいですね。
多くのテープデッキでは、トルクが強いヒステリシスシンクロナスモーターが使われ、それをアイドラーなどを仲介させ減速してキャプスタンを回すのですが、モーター自体の回転数は電源周波数に同期しているため変えられず、速度を調整しようとするとアイドラーやキャプスタンのフライホイールなどの直径を変える必要があり、現実的に不可能です。 機種によってはサーボモーターが使われ、それを駆動する回路に入っているトリマーで調整したり、操作パネルにピッチコントローラなどと称してつまみが付いているものもありましたが…。 なので、ありのままを受け入れるしかなかったんですね。 しかし市販の音楽テープの再生ではなく、同じデッキで録音・再生している限りは特に問題になりませんでした。

細かく言うと、テープは巻き始めはテンションが弱いので速度が速めに、巻き終わりではテンションが強くなり遅めになる場合が多いので、規定の速度に合わせるにはテープのどのあたりを使うかと言う問題も発生します。 そんなこんなで、私はレコードでは必死に回転数を合わせましたが、テープについては見て見ぬふりをしてました(^^;)

蛇足ながら、当時はTEACからアマチュア用のテストテープも販売されていて、その中に速度偏差やワウフラッター測定用の正弦波信号が入っていました。 速度は、その信号を再生し周波数カウンターで計測し判定します(確か1kHzか3kHzだったと思います)。

オープンリールでは、スコッチからタイミングテープ(白ベースで19.05cm/s=7.5inch/sおきにマークが入っている樹脂製テープ)、ソニーから同じようにマークが入ったリーダーテープが発売されていました。 ストップウォッチとそのテープでチェックしていた人も多かったようです。
カセットについてはもうお手上げ状態で、デッキのモーター内などに速度調整用トリマーがある場合だと、メジャーレーベルで同じ音源が使われているレコードと音楽テープを用意して同時に再生し、ピッチが揃うようにテープ速度を調整するのが最も確実だと思います。 しかしどんなに合わせても、曲の頭から最後までピッタリ合う事は、アナログではまずあり得ませんが…。

今思うと、アナログ時代は苦労が多かったですね(^^;)

by ぽぽんた (2014-11-05 19:40) 

小がめら

ぽぽんたさん、こんばんは。
更なる詳しい解説を有難うございました。

カセットテープデッキの速度調節はやはり難しかったのですね。仰る通り、同一機械で録音と再生をしている限りは、全く気が付かないのですが、A機で録音してB機で再生したりすると、結構気になるほどの差が出たりしました。

キャプスタンの駆動がシンクロナスモーターなら、脱調しない限りは電源周波数の通りに動きますね。私のデッキはいわゆる金額598の汎用品でしたが、トリマ調整ができたので、DCモーターの類だったのかも知れません。モーターの軸とキャプスタンの軸は、丸ベルトとプーリーで繋がっていたと記憶しています。

テープのはじめと終わりで、テンションによる速度差が生じると言うことは気が付きませんでした。初認識です。

オープンリール式には、速度確認用のテープがあったのですね。これも知りませんでした。テープが露出していますから、目視でも計測は可能ですね。

それと、オープンリールの標準速度は76cm/sではなく76.2cm/s = 30inch/sだったのですね。どうりで、カセットテープによっては、4.75cm/sではなく4.76cm/sと記載されていたわけですね。全く実害はないものの、なんで数値が2種類あるのかなぁ?…と、当時不思議に思いました。


そういえば、1970年頃我が家に初お目見えした木目調の(いわゆる)ステレオ(オーディオという言葉が普及する前?)に搭載されていたレコードプレーヤーは、モーター軸に取り付けられたアイドラーホイールで駆動するタイプでした。10年近く使って速度変動が顕著になり、外してみたらホイールのフチのゴムがボロボロになって、ターンテーブルの内面にこびりついていました。とりあえず掃除して、ホイールの接触面には細く切ったビニールテープ巻いて急場を凌いだのを覚えています。1979年頃一式(オーディオに)買い換えたときは、ダイレクトドライブだったので、ベルトドライブ式は実物を見たことはありません。

2000年に実家を改築するとき、オーディオもそのまま廃棄になりましたが、アナログレコードプレイヤーだけは運び出し、のちにレコード用端子のあるアンプを購入して繋ぎ、今でも(滅多に使いませんが)可動状態にあります。ただ、針(カートリッジ)は一度も換えていません。「レコード相手にダイヤモンドがそう簡単に磨耗するはずはない…」という勝手な思い込みです (^^;) 光学顕微鏡で100倍くらいにすると針の周辺にゴミが付いているのは良く見えたので、当時からお掃除だけはマメにしていましたが。


このたびは、個別の質問にもご丁寧に答えていただき、本当に有難うございました。また次の楽曲解説を楽しみにしております。

by 小がめら (2014-11-06 11:37) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんばんは!

ひたすら一定速度で回していれば問題の起きないターンテーブルと違って、テープは
色々な課題や問題がありますね。 厄介であり、そこが楽しい部分でもあります。
ただ速度偏差は再生する音楽の音程やテンポに直接関わる問題であり、小がめらさんや
私も含め、悩んでいた人はきっと多いだろうと思います。

カセットのテープ速度は、一般的な雑誌などではもっと大雑把に4.8cm/sと表示している
ものが多かったみたいです。 日本ではインチは普及していませんから、私も
例えば15インチと言われるよりも38㎝と言われる方がピンときます(^^;)

小がめらさんが初めて体験されたプレーヤーはいわゆるリムドライブですね。
当時はベルトドライブはわりと高級扱いで、普及機は多くがリムドライブでした。
回転数の切り替えレバーに「OFF」のポジションがあるんですよね。
使っていない時にはOFFにセットしておかないとアイドラーのゴムが変形して
回転ムラが増えたりゴトゴト音を立てるようになるという、ちょっと厄介な方式でした。
しかし今も、海外製の高級ターンテーブル(ガラードなど)はリムドライブを採用しているものが多く、
機械的に回転数を微調整できる製品もあります。
ダイレクトドライブはモーターの回転数が少ない(レコードの規定回転数と同じ)ために
振動などが抑えられる長所がある反面、トルクが弱い製品が多かったようです。

レコード針もなかなか微妙な部品で、当時はわりと神経質に語られていましたが、
実際にはそれほど摩耗するものではなかったようです。 針そのものよりも、
針の振動をコイルに伝えるためのゴムダンパーが硬化して音が悪くなる事が多かったようです。

このブログでハードのお話ができる機会はあまりなかったので、何だか嬉しくなってしまいました。
こちらこそありがとうございました!

by ぽぽんた (2014-11-06 23:54) 

小がめら

ぽぽんたさん、こんばんは。

音楽だけでなく、ハードにも大変お詳しいのですね。脱帽です。

ベルトドライブ式は見たことないのですが、予備校の物理の先生が、講義中に良く、学生の頃(1970年代初頭のようです)にベルトドライブ式のレコードプレーヤーを自作した…という話をしていました。当時の私にはそれがどれほどの事なのか良く分かりませんでしたが、それなりに自慢できる話だったのですね。

ダイレクトドライブは、言われてみればモーターとしては超低速回転ですね。直流直巻モーターやステッピングモーターでもないと、トルクが出ない速度領域ですが、それらはターンテーブル向きではなさそうですね。

レコード針は、先端が摩耗していなければ良いとばかり思っていましたが、ゴム部品が使われていたのですね。34年経っているので、たぶんそちらがへたって、音質が低下しているのでしょうね。でも私の耳には聞き分けられなさそうな気もします。音程は気になっても、音質には気が付かないってことですね。(^^;)

本当にありがとうございました。
それではまた。

by 小がめら (2014-11-07 11:25) 

卓

ぽぽんたさん、おはようございます。

今回は、中学・高校の時に本当に体験したことが書かれていて、お涙頂戴ものの記事の内容です・・・。リコーダーの演奏曲も、とても素敵です。

オープンリールデッキはともかく、カセットデッキもなかなか購入する事ができず(そこそこの性能のもの)、それでも深夜家族みんなが寝静まった後で、ヘッドホンを使い自分の声を多重録音したことを思い出しました。残念ながら、そのカセットテープは行方不明のままです。

「テレビのチャンネルを回す」ではありませんが、ここまでデジタル化が進むとは、思っておりませんでした。

カセットテープのスピード調整は、カセットの音楽ソフトと同じ曲が収録されたレコードを同時に再生して、モーターの裏にあるヘソのような穴にドライバーを入れて、速度を微調整したのを覚えています。取説には、「絶対にやらないで下さい」と書いてあったような・・・。

今実家には、アカイのGX系のオープンデッキ、アイワのカセットデッキ、ローディーのカセットデッキ、サンスイのアンプ、パイオニアのレコードプレーヤー、フォステクスの自作のスピーカーがありますが、まともに作動するのは、アンプとスピーカーぐらいでしょうか?3つのデッキは、どれも作動しないことを確認しています。

「SOS」の話題と離れてしまいますが、私がローディーのカセットデッキを選んだ最大の理由は、曲間に「プチ」というノイズが全く入らないからでした。色々なメーカーを試聴させてもらったのですが、録音開始のノイズが全く入らないのは、このローディーのカセットデッキだけだったんです。このデッキを使って、カセット両面ともピッタリに曲を収めたり、1番を歌入り、2番をカラオケにしたり、かなり遊ばせてもらいました。

テープのヒスノイズ、今この言葉をすぐに理解できる人は少ないでしょうね?
by (2014-11-08 08:15) 

nakamaya

ぽぽんたさん、ご無沙汰です。
昔の録音は大変でした。初歩的な話で申し訳ないですが、サウンドインナウのオリカラ録音も、カセットレコーダーとラジオ(ナショナルのGXOボーイだったかな)をつないで録音してました。
話はそれますが、ユーチューブでこんな画像、音源をみつけました。
ジョン・レノンのイマジンですが、これってオリカラのようですがどうでしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=lChzn9nAcXw
by nakamaya (2014-11-08 18:27) 

nakayama

すみません。名前を間違えました。nakayamaです。
by nakayama (2014-11-08 18:30) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんばんは!

私はハードに特に詳しいとは言えないのですが、オーディオが好きなったのが音よりも
ハード、特にメカニズムに魅力を感じていたからなんです。
なので、CDが登場して普及し始めた時、「これでオーディオはすごくつまらなくなりそう」と
思ったものです。

当時、レコードプレーヤーの自作と言うと、現在で言う自作パソコンに似ていて、
ターンテーブルユニット、トーンアームを好きなように選び、それを市販されている
出来合いのキャビネットに組み込むと言った形態が普通でした。
雑誌「ラジオの製作」(電波新聞社)にも製作記事が載っていたほどで、
私も当時に大人だったらきっと作っていたと思います(^^)

レコードのカートリッジはその構造に数種類ありましたが、本当に一つ一つが
違う音質・音色でとても楽しめたものです。
当時のカートリッジも、交換針さえ新しくすればきっと良い音が楽しめると思います。

次の記事を明日アップロードする予定なので、またよろしくです(^^)/

by ぽぽんた (2014-11-08 23:11) 

ぽぽんた

卓さん、こんばんは!

卓さんもきっと私と同じような経験をされたんですね(^^)
私は子供だったので、とにかく実験する事が面白くて、なかなか作品を作るまでは
出来ませんでした。 なので、この記事に貼った「キラキラ星」は、
当時の自分にしては一応、まじめにやってる気がしてます(ややいい加減ですが)。

当時からPCM録音なるものはよく知られていましたし、1969年頃の「電波科学」
などにもすでにその原理などが詳しく解説されていたので、いずれデジタル時代となる
事はわかる人にはきっとわかっていたと思います。 しかし私も、CDが出てきて
あれほど急激に状況が変化するとは思いませんでした。
違う見方をすると、オーディオの大きな魅力だったメカ関係が、意外なほど
あっさりと切り捨てられてしまったんだな…と今も寂しさを感じてしまいます。

私もアイワのデッキ(AD-F60M)を持っていて、そのモーターの穴に
ドライバーを差し入れて速度調整をしていた事があります。
しかし何度やっても満足できなかったのを憶えてます。

アカイのGX系オープンは何機種かありましたが、私はまだ手にした事がありません。
ソニーやTEACは結構、何台か直して使ってきたのですが…。
アカイは日本よりも海外で人気があるメーカーで、ぜひ一度使ってみたいと思ってます(^^)

曲間にノイズが入らないのは素晴らしい特長ですね。 クリックノイズ除去の
回路が入っていたり、バイアス電流のON/OFFの仕方に工夫があったものと思います。

そうですね、テープを使った事がないと、ヒスノイズと言われてもきっと
全くわからないでしょう(^^;) そういう意味では、アナログを知っている世代は、
デジタルでは体験できない事を色々と知っていて、ノイズがない事のありがたさが
よくわかったりするんですよね(^^)

by ぽぽんた (2014-11-08 23:32) 

ぽぽんた

nakayamaさん、こんばんは! 本当にお久しぶりです(^^)

昔はFMの録音も、決して簡単ではなかったですよね。 録音以前に、
受信の段階でうまくいかなかったり、車が通ったらノイズが入ったり…など、
私が当時録音していたテープにもそんなノイズが入っているものがいくつもあります。

「Imagine」のそのビデオは明らかにオリジナルのオケのようです。
イーグルスの「Hotel California」もofficial instrumentalなどと題して
カラオケがアップロードされていたのですが、今調べると見当たらなくて…
削除されたのかも知れません。

これからも、気が向いたらぜひコメントを入れて下さいね(^^)/

by ぽぽんた (2014-11-08 23:57) 

小がめら

ぽぽんたさん、ありがとうございます。

カートリッジの交換針を新しくすれば良いのですね。次回一時帰国の際にあたってみます。

卓さんのコメントにもあるLo-Dですが、1980年頃に一式買い替えたのがLo-Dでした。近所の電器店のご主人が元日立のエンジニアで、オーディオで日立ですかぁ?と言ったら、「日立はLo-Dのブランドと共にオーディオの研究所を作って取り組んでいるから大丈夫です」というので、信用して購入しました。ドルビーNRもその時初めて出会いました。

自分でかなりいろいろなものを修理できるご主人だったので、テープの速度調節法も彼に教わったのだと思います。秋葉原も遠くはありませんでしたが、まだまだ近所の個人家電店との信頼関係で高額家電を買う時代だったのですね。その後何年間かで、我が家の冷蔵庫、エアコン、テレビ、ビデオとことごとく日立になりました。

でも、他社と比較をしたわけではなかったので、卓さんの仰る曲間ノイズについては特別な認識はありませんでした。ラジカセではそういうノイズが入っていたので当然のことだと思っていました。Lo-DのデッキではいつもPAUSEでRECを押して待機し、それからPAUSE解除で録音開始していましたが、確かに曲間ノイズが気になったことはなかったです。


1984年に大学生協のオーディオフェアで初めてCDで音楽を聴いた時、ヒスノイズがないところからいきなりドーンと大音量の音楽が始まった時は衝撃でした。でもCDプレイヤーは高価だったので、持っている友達に頼んでメタルテープにダビングしてもらうだけでした。

初めて購入したのは就職後の1987年頃でした。バッファメモリも何もなく、振動ですぐ音飛びしてしまう代物でしたが、巻き戻さなくて良い、何回再生しても劣化しない、というところは便利でした。音にウルサイ友人は、CDは規格上20kHz以上の音の成分はカットされているからアナログの方が云々…を言っていましたが、私の耳にはS/N比やヒスノイズの方が影響大でした。

それ以降、カセットテープデッキを買い替えることはありませんでしたが、今年買い替えるまでウチの(日本で使っていた)車にはCDプレイヤーがなかったので、FMラジオを多用する傍ら、カセットテープには時々お世話にはなりました。


次の音楽解説楽しみにしております。

それではまた。

by 小がめら (2014-11-09 08:44) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんばんは!

日立のLo-Dは、オーディオ評論家からは「家電メーカーらしからぬ高性能」と
言われていました。 それはテープデッキもそうで、基本的な性能を大切に
作られていたようです。 私は使った事はないのですが、その良さの噂だけは
雑誌などから知っていました。
家電メーカーのイメージはやはりマイナスだったようですが…。

私の家も、町田に引っ越してすぐ知り合いになったのが日立の特約店だったので、
家電はほぼすべて日立でした。 当時まだ少なかったエアコンもそうでしたし、
テレビも日立キドカラー「ポンパ」でした(^^)

テープレコーダーに一時停止「PAUSE」が使われるようになって、
クリックノイズはあまり問題にならなくなってきましたね。
ただ最初の頃はその方式もまちまちで、単にモーターの電源を切って
テープを止めるだけのものもありました。

私が初めて買ったCDプレーヤーはヤマハのCD-X2でした。
当時はまだまだプレーヤーは高価でしたが、それは初めて7万円を切った製品として
かなりヒットしたようです。 しかし使い始めてしばらくすると音飛びがするようになり、
結局それは直せずに次のプレーヤーを買うことになりました(^^;)

先ほど記事を更新しましたが、今回も曲目解説が果たせませんでした(>_<)
またハードに関する記事ですが、良かったらご一読下さい。

by ぽぽんた (2014-11-09 21:17) 

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