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川の流れのように / 美空ひばり

皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中もこのブログをご贔屓に賜り誠にありがとうございました。
本年も私自身、勉強のつもりで書き続ける所存ですので、
宜しくお願い申し上げますm(__)m


新年第1回目は、前回に予告した通り…

川の流れのようにCDS.jpg

チャートアクション等

「川の流れのように」は美空ひばりさんの、通算302枚目のシングルとして
1989年1月に発売されました。

同年6月24日に美空ひばりさんが逝去し、その後に同曲はチャート上で大きな動きが現れ、
同年9月4日付のオリコンシングルチャートで8位を記録しました。
当時はまだアナログシングルとCDシングルが並行して販売されていた事もあり、
正確な総売り上げ枚数は把握できないのですが、一説によると
150万枚以上売り上げた、とあります(水増し感はありますが)。

1971年に奥村チヨさんが同タイトルの楽曲をシングルで発売していましたが、
当然ながら全くの同名異曲です。
私はその曲もよく憶えていますが(^^;)


作家について

作詞の秋元康氏は、今や説明不要の大プロデューサーですが、
作詞家でもあるんですね。

「川の流れのように」はニューヨークに滞在中、
部屋からイーストリバーを眺めながら書いた詞だそうです。


作曲の見岳章氏は「すみれSeptember Love」のヒットで知られるグループ
一風堂のメンバーで、キーボードを担当していました。


編曲は天地真理さん、桜田淳子さん、キャンディーズ等、
特にアイドル系の楽曲に多くの実績を持つ編曲家の竜崎孝路氏で、
1973年には天地真理さんの「若葉のささやき」でレコード大賞編曲賞を受賞しています。
「川の流れのように」も、特にストリングスのアレンジの素晴らしさが際立っていますね。


楽理ノート

全体の構成はシンプルな2ハーフ。 リズムは極めてストレートな8ビートです。
キーは Dメジャー(ニ長調)で、他調への転調は見られません。

美空ひばりさんの声域はアルトと低めで、この曲ではのっけから最も低い D で始まります。
そして最高はその1オクターブと5度上の A で、その音はファルセットが使われています。


コード進行は正統派のポップスらしい素直なものですが、ドミナントV7 の代わりに
Ⅱm7/V が使われている部分が多々あったり、セブンスコードや分数コードも多用され、
若い世代のポップスと変わりないコード進行が使われています。

そしてコーダは、それまで一度も登場していないメジャーセブンスの
DMaj7 で締めくくられ、哀愁感のある余韻が残ります。


サウンドについて

ひとことでまとめると、お金が掛かってます(^^;)

一聴するとシンプルなのですが、使われているミュージシャンは、
混声コーラスを含めるとかなりの人数です。

ハーフまで来てそのコーラスがやっと現れますし、
それと同時にマーチングバンドのような小太鼓が出てきたり、
コーダの最後にだけバイオリンのソロが登場したりと、
曲をドラマティックに演出するための音は
出番が少なくても惜しまない!と言った姿勢が感じられます。


ピアノ、電気ピアノ、アルペジオ演奏の生ギターなどが
左右にやさしく広がるステレオ収録となっていて、
和音感を大切にすると共に、ひばりさんの歌声を包み込むような音作りです。


竜崎氏らしくストリングスが活躍するサウンドで、そのフレーズは
1番と2番以降とでは全く違う、凝ったアレンジとなっています。

全体的に出しゃばって聞こえる楽器が全くなく、
この曲でもオケはあくまでも伴奏に徹し、ボーカルを引き立てる事に注力しています。


楽器と定位

使われている楽器とその定位は:

中央: ベースギター シンセサイザー バイオリンソロ 小太鼓 エレキギター(SE)

右: ハープ

ドラムス、ストリングス、ピアノ、アコースティックギター、混声コーラスは
それぞれ左右に広がるステレオ収録、
電気ピアノは中央から左右に薄いコーラス効果で広げられています。

ドラムスは、スネアドラムにだけやや深めにリバーブが掛けられています。

間奏で聞こえてくる、風呂場で桶を叩いたような音は、エレキギターによるものでしょう。


最後に

この記事を書くにあたって、オリジナルの歌入り音源、オリジナル・カラオケ、
YouTubeにアップロードされた歌唱場面などをできる限りチェックしていて、
特に映像を観ているとあまりの完璧さにどうしても感動してしまうのと同時に、
なぜかふっと涙が出てくるんです。

その歌声は、技術的な分析や理屈では説明できない、
聴く人の心を直接動かしてしまう何かを持っているとしか思えず、
美空ひばりさんは日本の音楽史における、
不世出の天才歌手である事は間違いないと確信しました。

ひばりさんの他の曲にも言える事ですが、例えば同じ曲の中で数回 ♪ああ…♪
と出てきても、それぞれが全部違う歌い方がされているんです。
単なる2ハーフなのに最後まで聴くのは退屈になる音楽もある中で、
ひばりさんの楽曲は一度聴き始めると最後まで聴きたくなる、
そんな力も持っています。
それは同じ歌詞、同じメロディーのフレーズもただ繰り返すのではなく、
1曲全体を一つのストーリーとして、そんなフレーズのそれぞれが通過点であり、
そこでの役割をきちんと持っているからその時なりの表現をする…
と言ったものであるように、私は解釈しています。

そしてその表現も常に変化するようで、
同じ楽曲でも、歌唱するたびに違う表現・歌い方を見せてくれます。
現在YouTubeに「川の…」の歌唱シーンが2つアップロードされていますが、
続けて観ると歌い方がかなり違う事が確認できます。


亡くなる直前(と言ってもその1年ほど前でしょうか)にテレビで
ひばりさんの歌唱を観た時に、とても優しい顔に見えた事を今も憶えています。
それまでひばりさんに持っていたイメージ、即ち歌はうまいけど怖い、厳しい、近寄り難そう…
そのようなものが、私の中から全部消えました。

そしてほどなくして、昭和と共にひばりさんも遠くに去ってしまいました。
私にとってもひばりさんは、きっと永遠に昭和のシンボルであり続ける事でしょう。


「川の流れのように」
作詞 : 秋元康
作曲 : 見岳章
編曲 : 竜崎孝路
レコード会社 : 日本コロムビア
初発売 : 1989年1月11日

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ゴロちゃん

ぽぽんたさん、明けましておめでとうございます。
今年もこのブログを読むのを日々の楽しみにしていきたいと思っています。よろしくお願いします。

「川の流れのように」のひばりさんの歌唱、YouTubeで聴きました。3つアップされていて3つとも聴きましたが、ぐいぐい引き込まれてしまいました。うまく言葉で表現できなくてありきたりな言葉ですが、本当に感動します。
歌ひとすじできた自分の人生を振り返りながら、これからも自分の選んだ道を気負わずゆっくりと歩んでいきたいという思いが伝わります。
ずっと前、これを作詞したのがあの秋元さんと知った時はびっくりしましたが、ぽぽんたさんの記事で作曲したのが一風堂の人と知り、またまたびっくりしています。

私は2番の♪雨に降られてぬかるんだ道でも、いつかはまた晴れる日がくるから♪という詞のところが大好きです。自分がどんなに大変な状況にあっても、それはいつまでも続かない。大変さを乗り越えて、またいい時がくる、といった希望をもつことができる歌詞だからです。

前も書きましたが、この歌は平成元年1月からのTBS系の昼1時からのドラマの主題歌として流れていました。発売されたばかりの頃ですね。何回か耳にして、「美空ひばりか。いい歌じゃん。」と思いながら聴いていました。まさかこんなビッグな歌になるとは・・・
本当にひばりさんの最期を飾るにふさわしい歌になりましたね。

この歌、多くの歌手の人が歌うのを聴きましたが、ひばりさん以外では、天童よしみさんの歌唱が絶品だと思っています。

まとまらない文になってしまいました。今年もこんな感じですが、いろいろコメント(感想)を入れていきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。


by ゴロちゃん (2015-01-05 21:11) 

ゆうのすけ

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げますと共に
御健康御多幸で喜び多い一年でありますように!☆

この年は前年末から 自粛の年末年始でしたよね。この作品 もしかしたら日本コロムビアの平成初荷だったのでは? 平成としても年明けてから初めてのリリース。四半世紀が過ぎましたが歌い継がれるエヴァ―グリーンな名作ですよね。♫~
by ゆうのすけ (2015-01-06 01:53) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、あけましておめでとうございます。 昨年はお世話になりました。

本当に不思議なんですよ。 ひばりさんの歌唱映像は、積極的に「見たい」と
思って観ているわけではない時も、ふと気づくとガン見してるんです(^^;)
全身で歌っていると思えるのは、私にとっては後にも先にもひばりさんだけです。
この曲にはそのような姿勢で歌手をしてきたひばりさんが、自身を投影する何かを
感じたから自分から「シングルにしてできるだけ多くの人に聴いてほしい」
と思ったのでしょう。
それが聴衆に届いてからは人生の応援歌として歌い継がれているのが
素晴らしいと思います(^^)

私も、これは記事に書いた事ですが、この曲を歌うひばりさんがとても優しく、
昔感じていた「怖い人」のイメージが全く消えていた事に驚き、初めて
ひばりさんのファンになりました。

天童よしみさんは声質も音域もひばりさんに近いものがありますし、ご本人も
その事を相当に意識しているように思います。

私も満足なお返事が出来ない事が多いですが、こちらこそ今年も
よろしくお願い致します! コメントを楽しみにしています。

by ぽぽんた (2015-01-07 00:21) 

ぽぽんた

ゆうのすけさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ、いつもお世話になってます!

そうですね、思い出しますね。 1月7日に昭和天皇が崩御されて、その頃は
その数ヶ月前から色々な自粛が始まっていました。
そんな中で結果的に最後になったこの曲が発売された事も、ひばりさんが
昭和を代表する歌手である事を象徴していますね。

今年もどうぞ、よろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2015-01-07 00:27) 

まるいち

ぽぽんたさん、明けましておめでとうございます!
今年も色々な記事など、楽しみにしています~(^^)
「川の流れのように」やその少し前の「愛燦燦」は自分も50歳台になって改めて聴いてみると
しみじみとした味わいがあって、その微妙なニュアンスなど、思わず聴き惚れてしまいますね~(^^)
私もリアルタイムではひばりさんは
歌はすっごくうまいけどちょっと怖いおばさん…という感じしかなかったのですが
10年位前に、あるFMのジャズ番組で美空ひばり特集というのを聴いて、びっくりしました。
ちょっとジャズ歌ってみました、というようなものではなく、素晴らしいものだったんです。
その後改めてCDで彼女のジャズを聴いてみたのですが
ひばり嬢17歳の時の「A列車で行こう」のド迫力のスキャットなど
この人一体何者だ??と圧倒されたり
28歳の時の「ひばり ジャズを歌う ~ナットキングコールをしのんで」の中の「スターダスト」など
その歌声は、大物歌手の企画物、というレベルをはるかに超えていて
ジャズ歌手として本格的に磨いていったら一体どこまで高みに行ったのだろう…と思わせてくれました。
なんだか「往年の演歌、歌謡曲の女王」というようなイメージだけで見てしまうには
あまりにもったいない気がします。

by まるいち (2015-01-10 17:33) 

ぽぽんた

まるいちさん、あけましておめでとうございます。

美空ひばりさんは仰る通り、演歌の歌手、歌謡曲の歌手とくくってしまうのは
非常に正しくない気が私もしています。

亡くなる数年前に、今も続いている音楽番組「題名のない音楽会」にゲスト出演し、
オペラを歌うのを観た時には本当に鳥肌ものでした。
発声の基礎もしっかりしているし、何よりも生まれながらの音楽の才能が
その時に存分に発揮されたようで、なぜ現在の音楽界にはそういった音楽が
生かされる場がないのだろう、とも思いました。
ジャズを歌っている場面も観た事がありますが、完全に世界が出来上がった、
確かにジャズだけど美空ひばりさんにしか作れない世界だと思いました。
きっと今頃、あの世でそんな音楽も歌いまくって聴衆を楽しませている
かも知れませんね(^^)

今年もどうぞよろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2015-01-11 23:27) 

桃ファン

遅くなりましたが明けましておめでとうございます、覚えていますでしょうか?桃ファンです。コメントは久しぶりなのですが
こちらのブログは拝見しております。今年もよろしくお願い致します。美空ひばりさんを取り上げて頂きありがとうございます。このブログをきっかけに70~80年代の歌に興味を持ち、果ては美空ひばりさんのファンになりました。昭和の時代にご活躍された歌手の
皆様とてもすばらしいです。この方はやはり

別格だと思います。リアルタイムでの活動は存じませんが、映像を見ていてもやはり
迫力があります。伝説の不死鳥コンサートは
有名なエピソードですが、具合が悪い中行われたコンサートだそうです。それを思うと胸が痛みます。川の流れのようにの時も悪かったのですかね。ぽぽんたさんからご覧になって不死鳥コンサートのひばりさんはどのように見えましたか?早いもので四半世紀が過ぎ。今年二十七回忌だそうです。映像を見ていて思うのですが、長生きして欲しかったなと思う今日この頃です。
by 桃ファン (2015-01-12 15:51) 

ぽぽんた

桃ファンさん、あけましておめでとうございます。 勿論憶えていますよ(^^)
しばらくぶりのコメントをありがとうございます!

私は物心ついた頃からテレビに毎日のようにひばりさんが出ていたような気がします。
ひばりさんについて真っ先に思い出すのは、金鳥のCMです。 「金鳥の夏 日本の夏」
のセリフはそれこそ、子供の頃には夏休みになると毎日耳にしていました。

東京ドームの公演は当時から何度もテレビで放映されていました。
私はその公演が「素晴らしかった」との賛辞とは裏腹に、歌うひばりさんが
あまりに苦しそうなのが気になって仕方ありませんでした。
あのひばりさんが、声を涸らして歌っているなんてそれまで見た事がなかったので、
正直、私は今でもあの映像はつらくて観られません。

ひばりさんは確かに早世でしたが、その力を存分に発揮した活動をして、
とても幸せな人生だったと思います。
ただ、私も一度でいいから生のステージを観ておきたかったな、と後悔してます。

by ぽぽんた (2015-01-12 23:28) 

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