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ボーカルの化粧

私が歌謡曲を聴き始めた1970年頃は、レコードの歌唱と生収録の音楽番組での歌唱は
全くの別物でしたし、生での歌唱がレコードよりも「ヘタ」なのは誰でも知っていました。
現在ではテレビの音楽番組でもCDや配信と全く変わらないクオリティですから、
特に買ってまで聴くほどの事はないよねぇ…と思われてしまう曲が殆どなのでしょう。
ある意味、テクノロジーの進歩が音楽パッケージの売り上げを落としたとも言えるでしょう。


このブログで採り上げる楽曲は主に1970年代の歌謡曲ですが、
そのレコードに収めらている歌唱はほぼ例外なく、色々な処理を施されており、
中にはあまりに美しくて芸術と言えるものもあります。

そのような魅力的な歌声にするためにどのような処理がされているか、
ここで音を聴きながら検証してみましょう。

****************************************

歌声に施す処理には、大きく分けて次のようなものがあります。

1.エコー
2.リバーブ
3.一人多重唱
4.イコライザー
5.その他


では1から。

「私という女」ちあきなおみ

「雨のエアポート」欧陽菲菲

これらには、テープを使ったフィードバックエコーと呼ばれる効果が使われています。
それはヘッドが録音用、再生用と分かれているテープ機器を使い、
録音した音をすぐに再生し、その一部をまた録音ヘッドに返す事で得られる反響効果で、
今聴くと少々わざとらしい感じを受けます。
しかし当時は「カッコいい!」と思いながら聴いていた気がします。

これにはもう一つ、サ行など高い周波数を含む子音を強調する働きがあって、
それを生かした音作りは当時の流行だったようです。

実音とエコー音との間隔、またエコー音の繰り返しの間隔は
テープスピードの調節で変化させる事ができます。


2のリバーブは日本語では残響と呼ばれ、風呂場や会社の会議室などで
いつも感じる事ができる、とても身近な効果ですね。

リバーブ(残響)効果を作り出すために最初に考えられたのはいわゆるエコールームで、
コンクリート打ちっぱなしのような部屋を作り、そこにスピーカーで音を出し、
残響をうまくマイクで拾うと言ったもので、当然ながら自然な効果が得られました。
当時の資料によると、1969年にオープンしたビクタースタジオには6室、
1973年当時のNHK放送センターには16室もエコールームがあり、
特にクラシックやジャズの収録に大いに利用されていたようです。

歌謡曲やポップスなどでは、鉄板式のリバーブマシン(EMT140が有名)
がよく使われていました。
これは部屋の代わりに畳一枚分ほどの大きさの鉄板にドライバーから
音声を入れ、鉄板に生じた振動をピックアップで拾うもので、
クセの少ない、高音域までよく伸びるリバーブが得られます。

リバーブ効果を生かした例で忘れらないのがやはり…
「芽ばえ」麻丘めぐみ

ここまでリバーブを深くかけると、歌そのものが不明瞭になる事があります。
そのため、実音よりも100ms程度遅らせた音にリバーブを付け、
その遅れたリバーブ音を実音に付加する方法でそれを回避しています。
人間の耳は、同じ位置から全く同時に異なる2つの音を出すと一つの音に聞こえますが、
その2つの発音に時間差が50ms程度以上あると別々である事が認識できます。
その性質を利用し、時間差をつける事で声とリバーブ音を分離し、
リバーブ音が声にかぶってしまうのを防ぐわけです。

「芽ばえ」のボーカルには、1のフィードバックエコーも同時に使われています。


3の一人多重唱(二重唱である事が多い)は、一人でハモる以外に、
声に厚みをつけたり、音程が怪しい歌声をカムフラージュする
と言った効果を狙って使われるテクニックでもあります。

これは最初からその効果を狙ってレコーディングされる事もあれば、
ミックスの段階で「ちょっと物足りないから」と急きょ決定される事もあります。

最初から決まっていれば、意識して複数回、同じように歌う事が出来るのですが、
ミックスの段階で決まると、数テイクあるボーカルの中から
少しでも同じように歌えているテイクを選び出す作業が必要になり、
やはり完璧にきれいに重なる二重唱となる事は難しいようです。
恐らく、これはそんな例でしょう:
「わたしの彼は左きき」麻丘めぐみ


4のイコライザーは音色を変化させるものです。
イコライザーは本来は音のクセを抑えるために使用するものなのですが、
音作りとしてはそれを逆に利用して積極的に音色を変えるために使われます。
この操作は多かれ少なかれどの曲のどの楽器に対しても行われていますが、
ちょっと顕著な例を:
「てんとう虫のサンバ」チェリッシュ

悦子さんのボーカルをややハイ上がり(高音を強調)にして、
可愛らしさを引き立たせています。

尚、イコライザーには低音域から高音域までをいくつかのバンドに分割して
各々のレベルを上げ下げできるグラフィックイコライザー(グライコ、ですね)と、
周波数の中心を任意に設定し、その近辺の音量を上げ下げできる
パラメトリックイコライザー(パライコ)があり、
必要に応じて使い分けられているようです。


さて、5。

「涙の太陽」安西マリア

これは1のエコーの応用で、実音を30~60msほど遅らせたものを
同じ音量で実音に付加する事で、疑似一人二重唱効果を出したものです。
それほどの短い遅れ(ディレイ)を作り出すのはテープ機器では難しいのですが、
1972年にアメリカのEventide社がデジタルディレイを発売し、
それを使用する事でその効果が簡単に得られるようになりました。

西城秀樹さんは、1980年にオフコースのカバー「眠れぬ夜」をヒットさせた時、
テレビ局にもその機器を持ち込み、自分の声に使用してもらっていたそうです。


そして最後です。

これは1984年のヒットですが、ボーカルにこの効果をかけるとは何と大胆な!
と私が仰天した楽曲です。
この曲のサビのボーカルには、ハモンドオルガンに付きもののレスリースピーカーの
効果を模したロータリーエフェクトとステレオフェイザーが使われ、
声を左右に広げたり強いクセを付けたりすると共に、
歌声が回転しているような効果を生み出しています。
明菜さんの復活を祝って(^O^)/


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青大将

こんばんは(^O^)/

面白く、興味深い、そしてなかなか勉強になる記事ですね。

最初、記事のタイトル見た時に、歌手本人の化粧、即ちメークの事を指すのかと思い、新たな取り組みか?!と驚きましたが、(^^; 記事を読むに連れ、それも解消。
記事に登場した楽曲は、それぞれ音源が在るので、生意気乍ら検証がてら、聴いてみたくなりました。 (^^)



ぽぽんたさんが、1の、大袈裟と感じたエコーを、更に、「カッコイイ」と感じた事は、 制作者側もきっと、同様だったんじゃないかという気がします。


だからこそ、それを商品化したのでしょう。



また、レコードないしCDを聴いて、コメントしたいと思います。
新年早々、良い記事、ありがとうございました。(^^)v
by 青大将 (2015-01-13 00:25) 

ぽぽんた

青大将さん、こんばんは!

こちらこそありがとうございます(^^) 
そー言えば、あの頃の歌手って南沙織さん以外は結構、ケバくなかったですか?
細い眉につけまつげ、厚いファンデーション…キャバレーのホステスと変わらないような人も
散見されましたねぇ(^^;)

それはともかく、当時のレコードを聴くと歌声まで厚化粧しているものが多く、
完全にレコード中だけの世界となっていて、それがかえって大きな魅力だったんですよね。
フィードバックエコーは、当時は本当にカッコいいと思っていました。 音源は出しません
でしたが、青大将さんもお好きな「太陽に愛されたい」(ニュー・キラーズ)のボーカルには
ボヨヨヨ~ンとしたエコーが大胆にかかっていて、私はそれが聴きたくてレコードを買いました。
でもずっと後にカラオケが普及して、装置に入っているエコーがみんな、そんなエコーだったので、
今では安っぽく感じる人が多い気がして、それは残念です。

ぜひ、例に挙げたレコードをじっくり聴いてみて下さい。 もういくつか例を挙げるとすると、
5に関しては南沙織さんのファーストアルバムに入っている「ハロー・リバプール」
(ボーカルが疑似二重唱です)、2に関しては「愛の架け橋」(ヒデとロザンナ)、
と言ったところでしょうか。

by ぽぽんた (2015-01-13 22:38) 

nuko222

ぽぽんたさん、今年もよろしくお願いします。

少ない経験値からでも「歌の化粧」という点では1~6?の方法を試したりしてましたが、冒険はしてませんでした。
6の機材はローランドの2Uのもの(機種名は失念)だと思います。

この歌の加工に至るには(トラックダウンの前提としての作業としては)歌のメインとなるテイクを完成させることです。手順は次の通りです。(このサイトでは繰り返しになるでしょうか?)

①数テイク~十数テイクの歌入れから良い部分(音程、リズム、情感・・・等々)を考えながら切り貼り(ヴォーカルセレクト)します。
デジタルマルチが一般化する前は音声信号をアナログ的にセレクトするマシンがありました。当然、エンジニアがテープを流しながらリアルタイムにスイッチで選択。(フォトカプラを使用した回路でクリックノイズは皆無でスムーズにトラック間の音をセレクトしつなぐことができる。通称:「ヴォーカルセレクター」と言います。)

②繋いだ歌のフレーズを1回で歌ったようにレベル合わせします。そのためにはセレクトされた歌を1つのチャンネルにまとめたものに、リミッター/コンプレッサーである程度音量を均一にさせるようにします。

③それでも不十分な所(音量が低いことがほとんど)をフェーダーで部分的に上げる(「しゃくる」と言う)ことで補正します。(調整卓のコンピューターにフェーダーの動きを記憶させる)
「しゃくる」は「歌わせる」(抑揚をつける)時にもやります。

④これで一通りのヴォーカルトラックが完成します。が、これは素材。
オケとの音量に合わせてさらに全体的に基本のフェーダーの動きに上書きでさらに抑揚をつける必要があります。

⑤このヴォーカルトラックに各種のエフェクト(FX)をつけて色付けします。(これが、今回のぽぽんたさんのお題1~5です)

昭和の時代はここに書いた③や④は手動で行っていたので限界もあって各スタジオ、エンジニアが工夫して作品づくりをしていた時代ですので当方の体験とは違っているのですが。
当方は部屋を作った形のエコールーム(録音スタジオの)は無いのですが、先輩に体験を聞いています。(大雨が降ると床に水がたまって排水をやったとか)

前提の歌入れは、歌い手さんによっては長時間かかったり(複数日)、セレクトや直しに時間がかかるので、思わず主張してしまいました。

by nuko222 (2015-01-15 01:59) 

ぽぽんた

nuko222さん、あけましておめでとうございます。
昨年は色々とご教示下さり、ありがとうございました。

そして今回もとてもリアル、かつ普通だと知り得ない作業内容を教えて下さって
ワクワクしながら読ませて頂きました。
ボーカルトラックを1本にまとめたりする事があるのは一応、書物で読んで
知っていましたが、具体的に説明して頂くととても納得できます。

川瀬泰雄氏著の「プレイバック」にもボーカルセレクターについて触れられていて、
それは日本で開発されて川瀬さんがその使用者第1号と言ったように書かれています。
フォトカプラが使われているのですね。 私はエフェクターのスイッチなどで
よく使用されるFETを使った切り替え回路だろう、と勝手に思っていました。

一つ疑問があるんです。
デジタル機器ならば全く問題ないのですが、アナログレコーダーでボーカルのトラックを
まとめるには、オーバーダビング時と同じように録音ヘッドで再生しなければならない
はずで、その場合は再生ヘッドを使うよりも音質が落ちると思うのですが、
そのあたりは問題にならなかったのでしょうか?
そういったピンポン録音は一人コーラス作りなどでは必然なプロセスですが、
やはりプロ機ならばそのあたりも十分考慮されている、と言う事なのでしょうか。

今年もよろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2015-01-16 18:40) 

nuko222

ぽぽんたさん、こちらこそよろしくお願いします。
ぽぽんたさんの記事によって今まで聞いていた曲も漠然とでなく新鮮に聞きなおせることが魅力です。過去記事を検索して見直して聞いたりもしています。今年も楽しみにしています。

さて、アナログマルチのピンポンですが、かなり昔の事なのでハッキリは覚えていませんが、再生ヘッドのイコラオザーアンプとは別にRECヘッドのシンクロ用にRECヘッドの再生イコライザーアンプ(当然ゲインも)がありました。
標準テープ(テストテープ)と同様に近いフラットな特性になるようどの経路(再生ヘッド時・録音ヘッドでの再生時)も調整します。

マルチレコーダーの調整はかなり時間がかかりました。ロットの同じテープでも個体差[ヘッドタッチやスリッティング(テープ幅に原反から裁断すること)が微妙に広くなったり狭くなったりすることでの走行ゆらぎ]があり、+-1dBくらいVUの針が揺れてしまうトラックがあるマルチテープも多々ありました。多くの場合1chと24chですがその付近のトラックまで及ぶものもあります。

さらに、ノイズリダクション(当方の体験ではドルビーAタイプ)のIN/OUT調整が録音・再生それぞれあります。何れの作業もトラック数分ですからそれなりに手間がかかります。(しっかり調整するなら小一時間)

ですから、デジタルマルチになってから楽で非常にありがたかった覚えがあります。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
「ヴォーカルセレクター」や「キューボックス」は日本が発祥と言われ、いろんな方が「自分が最初だ!」と言ってますので厳密なことはわかりません。
「ヴォーカルセレクター」のフォトカプラを採用したものは元祖じゃない可能性があり、初期のものは押しボタンスイッチを利用しただけのもののように聞いています。
フォトカプラ型のものでも初期はCDSと電球を対向させたタイプのものでしたが、電球が切れやすいのでLEDタイプのものに変わって行きました。
入力はバランス受けでOP-AMP(NE5534)を使用し、それをフォトカプラ2個をアッテネーターのようにT型に2個組んで直列がONの時、並列(GNDに落ちる)側はOFFで信号断の時はこの逆動作です。
これを抵抗でサミングしてOP-AMPで受けてレベルを入出力同一レベルにして出力しています。(+4dB=0VU)

ロジックはD型ラッチICを使用し、パラレルにリセットを渡らせてどこかのchがイネーブルになると出力をコンデンサで受けたパルスで他の全chをリセットする方法でセレクターになっています。

CDSは抵抗値の変化が数ミリsec程度の過渡時間があります。これが切り替え時の歌ch間でのオーバーラップを発生させることになり、自然な繋ぎができるので重宝されていました。

これは、当方が使用していたタイプのもので、普及しだした頃に市販を始めた「日テレの子会社であるサウンド・インスタジオの技術部(現在のADギア)」が開発したものは仕組みが違っていたと思います。(機能は同じですが)

長々と書いてしまいました。電気的な事柄も綴ってしまいましたが、ぽぽんたさんに理解を深めて頂くためのもので、音楽を扱うサイトには不向きだったかもしれません。
今回は一般的な内容でなくてすみません。またよろしくお願いします。


by nuko222 (2015-01-17 02:06) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

詳しいご説明をありがとうございます。 私自身は電子関係に長く携わっていたので、
細かく説明して頂くほど深く納得できてとても勉強になります。
読者の方々の中にも同じように興味を持つ向きもおられると思いますので、
今後も折に触れ技術的なお話をして頂けるととても嬉しいです。

ボーカルセレクターがそのように進歩していたとは、これまで考えもしませんでした。
ただトラックをノイズなく切り替えられればそれでいい、くらいに思っていたので、
ハードでオーバーラップまで再現するようにしていたとは本当に驚きです。
日本人の、職人的なこだわりを感じます。

アナログレコーダーのピンポン録音は、やはりプロ用機器はそのような使い方も
しっかりと想定の上で設計されているのですね。
私は民生機しか知らないので、同じヘッドで録音状態と再生状態が同時に起こると発振しそうだな…
とか、録音ヘッドはギャップが広いから、再生に使うと高音域は難しいのでは?
などと余計な心配(?)をしてました。
丁寧な解説をありがとうございました。

アナログのマルチはテープ幅が広いので、両端で不安定になる事は何となく想像できます。
30インチなど、高速で走らせると空気も大いに巻き込みそうですし…。
そうでなくてもテープって1本単位で状態が違ったりしますよね(^^;)
私も1/4インチテープは数十本持っていますが、今も全く問題ないテープは半分以下だったりするので、
プロ用だと必ずもっとシビアだと思います。

ボーカルセレクターは、日本語のように文節がハッキリと分かれる歌だから
使えるのかも知れませんね。
カーペンターズのトラックシートを見ると、リードボーカルにあてられているトラックは1つか2つなんです。
海外では、パンチインはあっても、複数トラックのつなぎ合わせなどは初めから
頭にないのかも知れませんね。

これからもぜひ!よろしくお願い致します。

by ぽぽんた (2015-01-18 18:12) 

nuko222

ぽぽんたさん、返答ありがとうございます。
新規のお題が起ったので解説を続けます。

マルチレコーダーのピンポンでの干渉ですが、マルチレコーダーによっては再生しているトラックの隣のチャンネルに録音することが出来ない機種がありました。
当方が知る限り、その時代(70~90年代)でまったく問題無く隣のchでもピンポン録音出来たのはSTUDER社のA-80ⅡとかA-800です。

「まとめる」とか「移す」作業はどうしても劣化するので、せめて1回で済むように考えて作業します。

実害は被っていませんが、それ以外にも問題として個別のchにバイアス発振器をもっているレコーダーがあって、これは発振周波数の微妙なズレでch間のビートを起こすというような物もありました。(大抵はマスターバイアスという1つの発振器から分配するタイプですが)

マルチテープの両端のレベル変動は当たり前なので、1chはハイハット、24chはタイムコード(24chは各社共通)というのが相場です。
デジタルになっても当方は1chをHHにしていました。(配列を変えると手が動かないので)

タイムコードはコンソールのコンピュミックスの為に必要ですが、それ以外に複数のマルチレコーダーと同期運転するために使われていました。

アナログマルチを2台間を「シンクロナイザー」というマシンでタイムコードとテープレコーダーのカウンターパルス(テープの動きをローラーで検出し、方向と進み距離をタイムコードが読み取れ無い時に換算する)を使って、マルチのトランスポートリモート(PLAY,STOP,FF,REWなど)をRS-232C?でコントロールして同期させていました。

放送用ビデオの音作業などもこういった同期システムで運用されていました。
シンクロナイザーのメーカーとしては海外のものが当時主流でした。

音楽の録音スタジオでも大手の所はこういうシステムで録音出来たので、「アナログマルチ時代は24chまでしかない!」と思うのは早合点です。

デジタル24ch,32chマルチが登場した頃はこの同期システムが一般化して、デジタルマルチとアナログマルチ、そして調整卓のコンピュミックスが融合してchの制約を広げた作業をしていました。(80年代)

これがさらに、デジタルマルチ48chが登場してアナログマルチの出番が無くなってきたと思います。

ですので、80年代の中盤以降は23ch以上のトラックを使った録音が多く登場しているハズです。

by nuko222 (2015-01-19 01:42) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは! 今回も詳しい解説をありがとうございます。

一つのケースに複数のコアを持つヘッドは、コアごとにシールドされて
互いに干渉しないようになっているものと思いますが、そのあたりの技術で
隣のトラックへのピンポンが可能か否かが決まるのかも知れませんね。

ピンポン録音は同じテープ内でのミックス&コピーなので、アナログだと
音質の劣化は避けられないと思うのですが、これまたカーペンターズの例ですが、
16トラックのテープで何度もピンポンを繰り返してあのコーラスサウンドが
作られているようなので、当時の当事者にとっては音楽を作り上げる事が第一で、
ノイズや音質は二の次だったのかも知れません。

バイアス発振器がチャンネルごとにあるものがあったとは初めて知りました。
アナログテープではバイアス波形の質が音質に直結するので、より高品位を求めて
そのような設計がされたと考えられますが、ビートなどの副作用が出てしまうのは困りますね。
日本の民生機にも、オープンリールの時代からバイアス可変機能が付いた機種がありましたが、
バイアス発振器は大電流が必要であるのにそのための電源が弱く、
バイアスを深くすると波形が崩れて音質が劣化するような事があったそうです。

タイムコードを使ったアナログレコーダーのシンクロナイザーについては、
山下達郎さんがオケ用と多重コーラス用に分けて2台シンクロさせていた…
などの話から私も一応は知っていましたが、それと同時にまた疑問が…
マスターのタイムコードにスレーブが追従する際に、スレーブ側のワウフラッターなどが
悪化するように思えてならないんです。
仕組みをきちんと勉強してないので、イメージが先行しているだけと思うのですが…。

テープの時代はチャンネル数をいかに多くするかで苦労していたのですね。
現在ではコンピューターの性能次第でいくらでも増やす事ができますが、
それと反比例するかのように新しく作られる音楽自体が劣化してきたように感じられるのが残念です。

by ぽぽんた (2015-01-20 18:28) 

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