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DAWとは何ぞや?

知ってる人は知ってる、知らない人は全く知らないと思われるDAWなる言葉。
DTM(Desk Top Music)と混同する向きも多いそうです。
私もその言葉をきちんと意識し始めたのはここ2、3年です。

DAWは、Digital Audio Workstation の略で、レコーディング形態の一つです。
従来のようにテープレコーダーを使うのではなく、
PCを用いて録音・ミックス・編集、そしてマスタリングをも行うシステムの事です。

2000年前後から徐々にテープを使ったレコーディングから移行が始まり、
現在ではほぼすべてのレコーディングで使われています。

マイクからの音声や電子楽器からのライン音声は、オーディオインターフェイスで
デジタルデータに変換され、PCに送り込まれます。
そして専用ソフトを立ち上げる事で用意される数多いトラックの一つ一つに演奏が記録され、
そうして作られる素材が揃ったところで同じソフト上(記録される形式に対応していれば
違うソフトでも可能ですが)でミックス作業が行われ、
必要に応じてマスタリング処理も行われて完成となります。

ソフトは民生用にはSteinberg社のCubase、Cakewalk社のSONARなどが一般的で、
プロ用としてはAvid社のProtoolsが最も多く使われています。


DAWにはプラグインとして音源やエフェクターが用意され、
MIDIキーボードを演奏する事で鍵盤のON/OFFや鍵盤を押す強さなどを
PCに流し込んでその音源を鳴らす事、
また演奏データをMIDIデータとして記録して、別のプラグイン音源を鳴らす事もできます。

エフェクターもほぼ何でもと言って良いほどの種類が用意されていて、
音質や品質は別問題として、作れない効果はほぼ無いと言えます。


従来のスタジオ設備と同等、またはそれ以上の環境が、
アンプやスピーカーなど実際に試聴するための設備以外はすべてPC上で構築できてしまう上、
専有面積も極めて小さくて済むために、
現在は従来型のレコーディングスタジオは次々に姿を消し、
PCと小さなブースだけでレコーディングを済ませてしまうミュージシャンが殆どであるようです。

それによって莫大な費用が掛かるレコーディングスタジオを利用しなくて済み、
予算面や時間面での制約が小さくなった事がDAW全盛となった最大の要因でしょう。

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私はこのブログ上で、そのような形態の変化に否定的であった事を書いてきましたが、
DAWが実際どういうものなのかを知らないでいくら批判しても説得力がないですよね。

でも本音を言うと大いに興味はあったので(←やっぱ好きなんじゃん(^^))、
半年ほど前からCakewalk社のSONAR X1 LE なるソフトを譲り受け、使用しています。
Sonar01.jpg
私はまだ実際にはDAWでは自分の演奏を使った音楽制作はしておらず、
今も8トラックレコーダーを利用しているのですが、
それに記録された演奏データもDAWの素材にする事は可能ですし、
柔軟性と言う意味でもDAWが重宝がられる理由は十分理解できます。

で、現在はオリジナルのマルチトラック音源を使ったミックス作業の勉強などしています。
例えばこんな感じです:
("TSOP" MFSB Mixed by Poponta)


ミックス作業においてDAWの最も大きなメリットは「オートメーション」と呼ばれる機能です。
ミックス作業では、各楽器の音量等は演奏の流れに合わせて上下させる必要があり、
それをかつてはエンジニア、必要な時には助手との共同で、曲の流れに合わせ
リアルタイムで調整していました。
なので、曲の途中で誰かが操作を失敗すると最初からやり直し、だったんですね。

しかしアナログ時代から徐々にミックス作業も自動化され、
各トラック(チャンネル)音量やエフェクトなどの調整は
その変化自体を音楽の進行に合わせ記録し、
何度でもそれを再現できるようになりました。

DAWではそれがさらに進歩し、
各トラックそれぞれで曲の進行に合わせた変化を付けられるのは勿論、
その変化がエンベロープと呼ばれる線データで管理され、
それはあとで画面上で簡単に変えたり修正したりできるようになりました。

なので、トラック一つ一つについてより細かい変化をつけ、
表情を豊かにする事が可能になりました。
その代わり、それにこだわるとエンドレスにいじり続ける事になります(^^;)

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DAWに組み込んで使う(=プラグイン)音源は現代では非常に質が高く、
中でもストリングスやホーン系、ピアノなどは一流の楽器を一流のミュージシャンが
音を出したものをサンプリングする事で作られ、
音質も従来のものとは別次元と言って良いほどの品質であり、
かつてのように「いかにもコンピューターで作りました」的な音ではなく、
プロでも生演奏と区別がつかぬほどの音が誰にでも得られます。

そのため、音楽を制作する人の関心は
「本物そっくりにするための演奏上の打ち込み技術」に注がれる事になります。

そして現実に一般人、また音楽業界の人であっても殆ど
本物と聴きわけができないほど、その技術は向上しています。

つまりバーチャルながらどのような楽器もPC上では演奏が可能になると言う事であり、
それは音楽を作る人にとってはこの上ない道具であると言えます。

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現在、新譜として発売される音楽は高い確率で
そのような環境での打ち込みによって多くの音がまかなわれており、
生の音を収録するのはボーカルだけである事が多いのが実情です。

そして、一流と言われるミュージシャンが演奏しているテイクが
一部に使われているだけでそれがセールスポイントになったりします。

打ち込みが使われているとそれが新鮮で、
セールスポイントとなっていたかつての時代とは完全に逆転しており、
1970年代あたりから音楽に親しんでいる私のような者からみると
それが非常に不自然でいびつに感じられるのです。

それは、根底に「音楽は人が演奏して作るのが当たり前」との観念があるからでしょう。

音楽制作には手間がかかると言う事では、今も昔も変わりません。
昔のやり方と今のやり方、どちらが正しいとか良いとかの問題でもないと思います。

ただ、打ち込みと人間の演奏、どちらがより人に「良い音楽だ」と思わせる力があるか?と言うと、
私はやはり昔のやり方、即ち人間が実際に演奏した音を積み上げて作る方だと思うんです。

音楽だけではないと思いますが、
手間をかければかけるほど良い作品が生まれるとは限らないものです。
サンプリングされた音を使って本物らしい演奏に聴かせるために
細かくエディットしてやっとの思いで作り上げたものも、やはり本物には永久に敵わない。
それは音楽をやる人ならば、特にプロは皆承知していると思います。

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DAWがレコーディングやミックスのための設備として極めて優秀である事は、
民生用廉価版のソフトを使用している私にも十分理解できます。
今後、テープに戻る事はあり得ないと言えるでしょう。

しかし上で述べたような打ち込み主体で作るのはやはり、プロの仕事じゃ、ない。
デモ段階で打ち込みを利用するならば納得できますが、
世に出す音楽の音はあくまでも生身のミュージシャンが演奏する音であって欲しい。

「どうせ打ち込みで作ってるんでしょ。」
そう思わせる事が音楽の購買欲をどれほど削いでいるかを、
制作側はもっと知るべきです。
今はそんな事も誰でも知っています。

手間がかかっているかどうかなんて、関係ないんです。
結局は演奏と音楽そのものにどれほど魅力があるかどうか、なんですね。

そのつながりで、収録した生音に補正をかける事、それも控えるべきですね。
今は収録した音の波形を出し、それを故意に変形させる事を補正と呼んでいますが、
その行為はDNAの組み換えにも似て、不可侵な領域に手を加えているようなものです。
そこには「こうすれば正解」と言ったものは一切存在しないのですから、
自然に出てきたものをそのまま使うのが最良の答えであると、私は信じています。

え?最良の演奏を残そうとするとお金と時間がかかる? スケジュールが難しい?
そのあたりをうまくやるのがプロでしょう。
かつてはそうやっていたんだから、今だってできないはずはない。
ノイズくらいは画面上で消してもいいと思いますが(^^;)

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…ってなわけで、DAWはその特性を理解していれば、音楽を制作したり、
過去の音源を組み立て直したりするにはとても便利で、面白い道具です。


ただ一つだけ、すごく驚いた事がありまして…

私が使っているSONARでは(恐らく他のソフト同じだろうと思います)、
最終的なミックスは「エクスポート」と言う形で出力します。

そしてそのためにかかる時間は4分程度の曲でも十数秒程度で、
出来たファイルを再生すると音量などを操作した動きは勿論、
リバーブやらディレイやら、設定したエフェクトもしっかりとかかった状態なんです。
しかも、仕上がりがきれい!

それには本当に驚くと同時に、これまで曲の実時間をかけてミックスしていたのは
何だったんだ!?とまで思ってしまいました(+o+)

それと同時に、そのように1曲わずか十数秒で処理が完了してしまうあたり、
「ああ、これはやっぱりコンピューターが作っているんだ」と変に実感したのでした。

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風の精

ぽぽんたさん こんばんは♪

DAW…詳しくありませんが 録音のレベル調整や録音後の集作業耳など 耳で聴いて確認や判断していたのを データとして 耳だけでなく目で見て確認出来るようにもなったんですよね


これからも 進化していくとしたら…


どうなるんでしょうね~(;^_^A


by 風の精 (2015-02-09 03:07) 

ぽぽんた

風の精さん、こんばんは!

そうですねぇ、記事に書いたように近年は音の形そのものをいじって型にはめようとする傾向があるので、
それが止まらずに音楽を壊しにかかるか、あるいは見直しの時代になるかのどちらかだと思います。
今の多くのエンジニアは本物の楽器の音も知らずに仕事をしているそうで、
そのあたりから改善する必要があるのでは、と僭越ながら考える次第です。

いつか何らかの方法で、私の曲にトランペットを入れて下さると嬉しいです(^^♪

by ぽぽんた (2015-02-10 18:38) 

風の精

ぽぽんたさん こんばんは~


トランペットの音入れ… 今、急ピッチで練習をしていますが、ぽぽんたさんの満足するレベルに いつ到達するかは わかりません…(-_-;)

YouTubeに その都度進捗度合いをアップしているので 気が向いたらチェックしてみてくださいね(;^_^A

YouTube…ぽぽんたさんをチャンネル登録していますので、多分登録者をチェックしていただければ…と思います♪



by 風の精 (2015-02-11 03:14) 

ぽぽんた

風の精さん、こんばんは!

いえいえ、私もまだまだですし(^^;) でもきっと、例えばキーボードだけで
作った音に生のトランペットが乗る事を想像するとすごく燃えます(^^)
風の精さんが気が向いた時で良いので、その時はぜひよろしくです(^^)/
YouTube、見させて頂いてます。 私のチャンネルを登録して下さってありがとうございます。
トランペット、楽しみながら練習しておられるようでいいですね!
私もまたギターを始めようなどと性懲りもなく思っているので、その進捗状況も
記録しようかな、とちょっとだけ思ってます(^^♪

by ぽぽんた (2015-02-13 00:14) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
「DAW」 いつかテーマとなるだろうと思っていました。

現在では数多くの音楽制作・録音ツールソフト(アプリケーション)が出ていて、音をコンピューターに取り込むハードウエア(オーディオ・インターフェース)を買うと付いてくる(バンドルされている)事がよくあります。

その例として今回のテーマの「DAW」でぽぽんたさんが使っているものが「SONAR」ですね。(LEタイプだとそういうものが多いので)
当方は「Protools」しか使っていませんが、どのソフトでも似たり寄ったりな作りと聞いています。
仕事で使わないのなら、安くて手元にあるものがを使って”とりあえず使って慣れる”というのが先決ですね。(最初に指導者がいないと解説書を読んでも概念がつかめず結構つらいかも?!)

当方も少しスタジオ経験があったから応用で理解して行きましたが「電線でついでいない仮想空間回路で機材が存在する」という中での作業にリアルなハードの調整卓やエフェクターに慣れた者としては当初違和感が多いにありました。(現在も かな?)

それにしても、ぽぽんたさんのデモ音源(スリーディグリーズのソウルトレインのテーマ)のマルチ音源はいいですね。当方はその曲時代の「ソウル」ものも好きです。
この頃のディスコサウンドの曲は結構マルチにレベルいっぱいで録音されてクリップ(テープ上でレベルが飽和状態)になっていると思われるものだらけですが、これがイイ味を出すんです。(ハイファイじゃなくてオーディオマニアには嫌われるのですが)

こういうこともアナログマルチレコーダー時代には出来て、それが効果として生きているんです。[当方も先輩からテープリミッター(録音時にあえてテープ上に音のピークはメーター振り切りでクリップしている所まで音量を上げて録る)を教わりました]←こういうのは”多少の歪は気にするな。音圧が上がって良いんだ!ということです。

DAWになった今はこういう味を出すためのプラグイン(エフェクターアプリ)が色々とあるようですが、コンプ/リミッターでさえ実機にはかなわないと思っています。(掛り具合が何かウソくさい。質感に厚みが無い。あくまでも個人的感想)
それはプラグインアプリが実機の名を出して「シミュレートしました」と言っているからなのですが・・・

今回もつらつらと自由に書いてしまいました。ここら辺で終わります。
返答不要です。次回を楽しみにしています。
by nuko222 (2015-02-14 04:00) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんにちは! 興味のあるお話だったので返信させて頂きます(^^)

DAWを使い始めたのは良いのですが、なかなか奥が深いと言うか… そうなんです。 一応専門書を読んだりもしましたが、読んでいるだけでは一向にわかりません(^^;) なので実践で覚えるしかないと腹をくくり、いきなりミックスや録音などをしています。
近年の音楽を聴いていていつも「何だ、この(悪い)音は」と思う事が多かったので、その元凶はDAWだ!と決めつけていたところがあるのですが、実際使ってみると私の持っている環境でもかなりの高音質で使える事がわかり、誤解が解けました。 要は設備云々よりもその使い方なのだ、と改めて思いました。

SONARはLEでも33トラック同時に使えるので、そういった意味では不満はありません。
CUBASEのLEだと16トラックまでらしいので、それだと足りないかな。
プラグインのエフェクトについては、実機を知っている方にとってはやはり、音質面で色々と不満が出るものなのでしょうね。 音源を含め、プラグインはどれもシミュレーションでありバーチャルですから、リアルと較べると抜け落ちている要素が沢山あるだろうと思います。

マルチ音源には、ミックスでは当然カットされるようなプロデューサーやエンジニアと思しき人の声が入っていたり、曲によってはボーカルが途中でつっかえて「あれ??」と困っているのがそのまま残っていたりと、スタジオの様子が手に取るようにわかるものもあって面白いですね(^^)
またまたカーペンターズのお話ですが、「Only Yesterday」のプロモは冒頭に調整卓のVUメーターが映し出されていて、ドラムスのフロアタムが入ると針が思い切り振り切れるのを見て「よくこれで平気だなぁ」と思っていました(^^;)
アナログテープ時代には、仰るようなテープコンプレッションが大いに利用されていたそうですね。
同じ事を民生機のカセットとかでやろうとすると、テープが飽和する前に録音アンプでサチってただ汚い音になるだけ、と言う場合もあり得そうです(^^;)

本来は避けるべきであるテープの飽和をプラグインで再現…と言ったような事は、温故知新の一環ならば良いのですが、わざわざデジタルで作り出すのは、これまで先人が苦労して会得したものの中からつまみ食いしているような気がしてしまいます。
でも私もこれからもっとDAWのお世話になりそうなので、文句を言う権利はないですね(^^;)

今日中にまた楽曲解説の記事をアップしますので、良かったらまたご覧下さい。

by ぽぽんた (2015-02-15 11:39) 

JP

興味深い話ですね。技術革新がもたらす人件費などの削減。逆にいうと昔の、70年代ぐらいまでの音楽はいかにぜいたくに(人件費使いまくって)作ってたかということですよね。自分も最近の音が自分の好みではないのはプロツールズなどのせいだ!なんて決めつけてましたが・・ 先入観だったのかな。ただローテクだったからこそそれを逆手に取っての迫力、ドライブ感、ガレージ感が60年代中期~70年代の音楽にあったのは事実だと思うし、爆裂する金管、地を這うようなベース、艶やかなストリングス、ドンガラドッシャン(笑)なドラム・・・・・こういうのもDAWで再現できるとしたら降参でっす。
by JP (2015-02-20 19:30) 

ぽぽんた

JPさん、こんばんは!

仰る通り、70年代までと言わずバブルがはじける前あたりまでかな、音楽は潤沢な予算で
作られていたように思います。 良い作品を作れば売れる時代だったので、それが可能だったのでしょう。

記事にも書きましたが、私も近年の音楽の音が悪いのはDAWのせいと思っていて、
山下達郎さん等が音楽雑誌の記事に「DAWは音がいいから」などと発言していても
眉唾に思えていたんです。 しかし実際に自分で触ってみて、音質自体は悪くないんだ、とわかりました。
ただ、何でもできる、いや、でき過ぎるんです。 波形自体をいくらでもいじれるので、
手を加えるうちに音楽的に正常な判断ができなくなるのでは、などと思ってしまいます。
以前のレコーダーと同じく、ストレートに録音しストレートにミックスするのであれば
きっと、その音質の良さを生かせるのでは、と思います。 それこそ仰るような、
楽器の特性を存分に感じさせる音作りも十分可能だと思います(^^)

by ぽぽんた (2015-02-21 00:37) 

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