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京都の女の子 / 研ナオコ

まさに、一度聴いたら耳から離れません(^^;):

京都の女の子.jpg

チャートアクション

「京都の女の子」は、1970年に発足した東宝レコードから期待の第一号新人としてデビューした
研ナオコさんの4枚目のシングルとして1972年7月に発売されました。
研ナオコさんにとってオリコンシングルチャートに初めてランクインされた楽曲でもあり、
登場週数12週、最高52位で4.2万枚の売り上げでした。


作家について

作詞は2作目「屋根の上の子守唄」から3作続けての阿久悠氏。
作曲は初めての起用となる森田公一氏で、編曲も担当しています。
因みに同コンビによる「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)はこの曲より4ヶ月前の発売でした。


歌詞の内容について

前年の国鉄(現JR)のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」の流れを引き継いだような
いわゆるご当地ソングの一つであり、
歌詞には京都の有名なスポットが次々に登場します。

ほぼ同時期に大ヒットとなった「京のにわか雨」(小柳ルミ子)にはそういったスポット名は登場せず、
「京都の町」としか表現されていないのとは対照的です。

デビューしてしばらくの間、研ナオコさんはボーイッシュなイメージで売り出されていたようで、
この曲の歌詞も男性の気持ちを表現したものとなっていますね。


楽曲について

何と言っても歌い出しの ♪おいでよおいでよおいでよおいでよ 京都の女の子…♪
が強烈で、研ナオコさん独特の声質と相まって一度聴けば必ず頭に残ってしまう
勢いを持っています。

しかしこの曲の良さはそれだけではなく、最初にそんなインパクトをかませた後で
流れるような美しく、切ないメロディーが続き、
心情や風景描写を具体的に描いた歌詞が乗ることで旅ドラマを観ているような感覚に陥ります。

「石けんの匂い」「しとやかな姿」「ほろほろと涙ぐむ」…と直観的に美しさを感じさせる
言葉が随所に使われ、歌い出しの下世話なイメージを同じ歌の中でひっくり返そうとしているような
作戦さえ感じ取れてしまいます。


「京都の女の子」では、
・♪おいでよおいでよ…♪ …Aメロ
・♪すれちがう その時の…♪ …Bメロ
・♪清水の坂の上…♪ …Cメロ

と、1コーラスの中で3つのパートに分ける事ができますが、
それらがすべて全く違うメロディーであると同時に
スケールとしてはすべて短調の音階で一貫しており、一瞬も長調の音階とならないのは
珍しい作りであると言えるでしょう。


サウンド等について

キーはFマイナー(ヘ短調)で、転調はありません。

リズムはオーソドックスな8ビートで、テンポは125bpmほどです。

GSやゴーゴーのイメージを感じさせるサウンドですが、楽器の構成はドラムス・ベース・ギターのリズム隊、
ストリングス、そしてハモンドオルガンと、多くの歌謡曲で聴かれるパターンです。

この曲ではその中でハモンドオルガンの音色が際立っていますね。
こういったいかにも電子オルガン(と言うよりも「エレクトーン」の音、かな)には、
それ単体、または他の楽器に合わさっても、人の気持ちに訴えかけるような力があるんですね。
この曲のように京都のイメージを出す時に使われた例もいくつかありますし
(私がとっさに思い浮かぶのは「魔法使いサリー」(NET)の一話(「あこがれの舞妓さん」
で京都を紹介するシーンで使われていたオルガンの音、なんです(^^ゞ)、
「長崎慕情」(渚ゆう子)などでのそれのように異国情緒を感じさせる事にも役立っていたりと、
電子的に作られる音なのになぜこれほど豊かなイメージを感じさせるのか、実に不思議です。

イントロ、間奏、エンディングで4小節のオルガンソロのフレーズが登場しますが、
そのメロディーがこれまた不思議で、通常より半拍先走るような作りなんです。
私は最初、これは何かの間違いか演奏のミスなのでは、と思ってしまいました。
そのように感じさせる事も、作家の計算の一つなのでしょう。


前後しますが、イントロでまずキュッキュッキュッキュッ…と、何を表現しているか
定かではありませんが変わった音が鳴ります。
これはエレキギターの弦をピックでこすって出している音でしょう
(ザ・ベンチャーズの「ダイヤモンド・ヘッド」「アパッチ」などでも有名な音です)。


研ナオコさんは当時、その特異なキャラクターのためか、
歌手と言うよりはコメディエンヌのイメージで、
歌唱力云々を語られる事はほとんど無かったように思います。
しかしこの「京都の女の子」を改めて聴くと、音域の広さ、声質、テクニック等、
すでに高いレベルであった事がわかります。

特に低音から高音まで(「京都の…」では下のFから上のB♭まで、1オクターブと4度)を
実にスムーズに、豊かに発声している事に驚かされます。
雑誌「昭和40年男」2013年8月号に濱口秀樹さん(hama-Pさんです)による
研ナオコさんのロングインタビューが掲載されているのですが、
そこに「幼い頃から美空ひばりさんと島倉千代子さんの歌に親しんでいた」との
発言があり、そういった歌手の真似をしているうちに身についた歌唱力かも知れません。


付記

私がこの曲を初めて耳にしたのは確か小学6年くらいの頃、街中での事で、
何度も書くようですが ♪おいでよおいでよおいでよおいでよ♪ のフレーズが、
その変わった声(と当時思っていました)と共に強く脳に刷り込まれました(^_^;)
しかしその頃は子供だったので、曲の雰囲気にどこか不良っぽさを感じ取ったのか、
「ちゃんと聴いてはいけない曲」のように思い込んでしまったようなんです。
全く異質ですが、奥村チヨさんの歌に感じていたような「いけなさ」かな。

今の自分は当時の研ナオコさん、奥村チヨさんよりも遥かに年上なのに、
楽曲を聴くとあの頃のように「うんと歳の離れた大人の歌」と思えてきます。
…って私だけ!?


「京都の女の子」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 森田公一
編曲 : 森田公一
初発売 : 1972年7月1日
レコード会社 : 東宝
レコード番号 : AS-1149

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Massan

ぽぽんたさん、こんばんわ。今回のクイズは降参でした。
youtubeにアップされていたものを聴きましたが、やはりこれまで聴いたことがありませんでしたし、タイトルも知りませんでした。当時一度でも聴いていたら私も冒頭のメロディに強い印象を受けたと思うのですが、まるで記憶がありませんので楽曲に接する機会が無かったのでしょう。私が研ナオコさんの楽曲で記憶に残っているのは「愚図」以降のもので、東宝レコード時代はデビュー曲を含めてまるで知識がありません。今、初めてこうして聴いてみると軽快なメロディが好感持てますね。また、研ナオコさんがボーイッシュな詞を歌うというのも嫌味が無くていい感じです。京都の地名がこれでもかと言うくらい盛り込まれているのがややくどいですが、ぽぽんたさんも指摘されていた直感的に昔ながらの美しさを感じさせるフレーズを連発するあたり、すでに戦後生まれの女性が次々と成人していた時代にあって「京都の女の子」からイメージする女性像に懐かしさや憧れを感じるようになっていたのでしょうね。
いい楽曲をご紹介いただき、ありがとうございました。それでは。
by Massan (2016-06-26 21:10) 

ぽぽんた

Massanさん、こんばんは!

時代背景まで考慮された的確なコメントをありがとうございます。 仰るように、
当時は戦後たった27年と言う事で、今とは人の気持ちも世の中も全く違うものであった
事を改めて考えさせて頂きました。
この時代は今よりもうんと通信手段が少なく、例えば会えなければ会えないなりに
想像を膨らませたり相手の心情を思いやったり、そういった事を誰もが経験していた
時代なんですね。
私は自分も恩恵にあずかっている一人なので文句は言えないのですが、
インターネットなど無くなってしまえばいいのに…と思う事がよくあります。

この曲はヒット曲ではないのでご存知ない方もきっと多い事は知りつつ書かせて頂きました。
曲の構成やメロディーの巧みさ、歌詞の美しさ、歌唱の素晴らしさなど、微力ながら
音楽、特に歌謡曲が好きな人に再発見してもらうきっかけになれば、と思ったんです。
関心を持って下さってありがとうございます!

by ぽぽんた (2016-06-27 21:44) 

青大将

こんばんは。 仰せの通り、レコード持ってました!\(^o^)/

しかし、ぽぽんたさんが記事に添付したジャケット画像を見た時、何か違和感が有ったんです。 「アレ?何だろう?」と思ったら、3つの写真の内、真ん中の耳を出しているショットに何だか見覚えが無くて、レコード棚を必死に漁って探し出し、確認したら、・・・・やっぱり!俺が所有してるのは、真ん中の写真は耳を出さずに髪を普通に下ろして笑ってます。顔の角度はほぼ同じですが。両脇の写真は同じです。 2種類在ったんですね!初めて知りました。

しかも、こんな形のジャケ写違いって、珍しいと思います。

この曲は、思えばあまり真剣に聴いて無かった気がします。 イントロ冒頭のキュッキュッ音も初めて聴く感じで。
研ナオコのレコードは、案外、結構な数持ってるんですよ、シングル盤ばかりですけど。 いちばん最古がこの「京都の女の子」です。
74年の「うわさの男」が、当時から大好きで、これをテレビで歌う研ナオコは、凄く印象に在ります。「京都の女の子」については、確かにテレビの歌番組でよく聴いた、という記憶は在っても、不思議と映像で浮かんで来ないんですよ。(^^;


研ナオコは75、76年にビッグ・ヒットを放つ迄、それまでの代表曲を挙げるなら、矢張りこの「京都の女の子」や「うわさの男」が来るのでしょう。
B面の「ボーイフレンド」にも針を落としてみると、何だか何処かで聴いた様なメロディー。 森田つぐみ(憶えてる?(^^;)の「恋する海岸通り」('76)とか。
歌唱力の豊かさは、こちらも負けてません。高音を多用してます。 個人的には、'80年の「砂の舟」にハマってたりします。歌詞が意味深で、最初に聴いたのが夏休みの早朝のラジオだったのでその時の印象もありますね。「愚図」と「LA-LA-LA」の間にリリースした「一年草」なんかも好きな曲でした。

83年の初夏頃リリースの「Lonely Way」は本人作詞、南佳孝作曲で、ヒットには繋がらなかったけれど大好きな、カッコいい楽曲だったなぁ~。 カックラキンでよく聴きました。当然、これもレコード買いましたよ。 「ルージュをふきとれ」もカッコいい曲でしたね。もう、挙げればキリがなくなるので、この辺で止めときますが、研ナオコも相当に楽曲に恵まれたシンガーだと言えますね。 曲のファンもかなりの数存在してると思います。


ところで話しは変わり、俺は此処の所、また南沙織にハマって居ります。 二枚組のCDを車の中で聴きまくってて、特に、主にシングルB面やアルバムからのセレクトで構成されてるDisc2は繰り返しエンドレスで聴いててもなかなか飽きません。残念ながらオリジナル・アルバムは1枚も持ってなくて、今、無性に片っ端からオリジナル・アルバム聴きたくて仕方ありません。 歌唱も素晴らしく、彼女も研ナオコ以上に楽曲に恵まれたシンガーで、ホント、極めて上質なポップスだけを歌い続けた芸能生活を送った幸せな人だと思います。

研ナオコの回で、最後に南沙織で締め括るのも如何なものかと思いますが、ご了承を。m(__)m

また何処かで南沙織も宜しくです。(^o^)/
by 青大将 (2016-06-28 23:15) 

ぽぽんた

青大将さん、こんばんは!

おお、やっぱりお持ちでしたか(^^) ジャケ写については私もネットで調べていて
初めて知った次第で、どうもレコードの価格表示からして私が記事に使った
ジャケ写が最初のもので、翌年あたりに真ん中の写真だけ差し替えられてようですね。
差し替えられた理由、興味あるなぁ(^^;)

「うわさの男」のあたりだとかなりテレビ出演が多くなっていた頃で、
私も何度もテレビで歌唱している場面を観た記憶があります。
恐らく本人は不本意だったかも知れませんが、私はあの時代の研ナオコさんって
すごくいい味を出していた気がします。
「カックラキン」などに出ていた事はあっても、「愚図」以降は歌手・研ナオコ
となっていったようで、特異なキャラが薄れていったのが残念なんです。

森田つぐみって、何となく憶えていますが、歌はどうも記憶になくて(^^;)
もしかしたら、番組名は忘れましたがハンダースのメンバーが新人歌手と
マラソンしながら自己紹介するコーナーで観た事があったかも…。

それにしてもさすがに青大将さんです。 私が一つ話題を出すと十倍くらい
返して下さって、その内容が本当に勉強になります。
私は1979年発売だったかな?「ひとりぼっちで踊らせて」がなぜか好きでした。
歌メロの出だしが「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」などに似ているのが難ですが
聴いていて妙に切なくなる一曲です。
私は研ナオコさんのCDは一枚も持っていないのですが、青大将さんの曲紹介を読んで
しっかり聴きたくなりました。
東宝時代からのシングルがほぼ網羅されたベスト、いいですね(^^)

南沙織ですか~、私にとっては多分MFS(Most Favorite Singer)です(造語です(^^;))。
そのハマっているCDとは「ゴールデン・Jポップ ザ・ベスト」(SRCL4414-5)では?
それならば私も持ってます。 音質も良いので気に入っているCDです。
個人的には「美しい娘たち」が入っていてびっくりした記憶があります。
「シンプル・シティー」もこのCDで初めて聴いて、いっぺんで気に入りました。
オリジナルアルバムも傑作揃いですが、今聴いても新鮮さを失っていない「17才」と、
急に歌唱力がアップしたように感じる「早春のハーモニー」がまず、お薦めです(^^)

シンシアの曲ですか? 喜んで書かせて頂きます!

by ぽぽんた (2016-06-29 23:37) 

きゅーぴー

ぽぽんたさん
前回のクイズに挑戦したのですが、楽譜をギター演奏して?・・分らない。音源を聞いて「アメリカ橋」???、まあ、これもご当地ソングかもしれないけど年代が違う・・で。スルーしていました。
その後、ブログをチェックしていないうちに正解発表になっておりました。
ユーチューブで聞いたら、知っているような知らないような・・でした。
出題の音源が消えているので、自信はないですけど、サビの始まりはアメリカ橋だなと思っています。
最近知ったのですが、研ナオコのバックバンドをアルフィーがやっていたんだそうですね。メンバーの坂崎氏は高校が同じ学校群の方で、そちらの学校に行った同級生が、いつも学校にギターを持ってきている先輩で、試験が終わると教室でミニコンサートをしていたとの事でした。ぽぽんたさんも東京出身なので、学校群のことはご存知と思います。
おまけの話です、Most Favoriteは、カジュアルな英会話ではOKだと、以前ネイティブスピーカーから聞いた覚えがあります。ビートルズやカーペンターズの歌詞にある、He(She) Don't Careと同類で、わざと文法をずらして、協調表現としてアリのようです。
by きゅーぴー (2016-07-01 13:49) 

きゅーぴー

協調✖
強調○です。

ほんと、我ながら不注意です。
気を付けないと協調表現でも、これはこれで「わからないまま納得」できそうな気がしてきます(><)’


by きゅーぴー (2016-07-01 14:00) 

ぽぽんた

きゅーぴーさん、こんばんは!

やはりヒット曲ではないので、ご存知ないのは当然と思います。
この曲には例えば「同じ時期に小柳ルミ子さんの京都ソングは売れたのに」とか、
作家が阿久悠・森田公一コンビなど、色々な要素を持っていて尚且つ個性的な曲なので、
これを機会に知って頂ければいいな、と言う気持ちで記事にしました。

研ナオコさんとアルフィーの関係はよく知られていますね。 1978年のヒット曲の
「窓ガラス」のバック演奏もアルフィーだそうです。
坂崎さんは都立高校卒業なんですか!? 知りませんでした。 学校群については
勿論知っていますよ(^^) 私は町田市でしたが、当時72群だった国立高校、
立川高校が優秀校として知られていて、友人も何人か入りました(超ローカル、ですね)。

英語について教えて下さってありがとうございます!
その歌詞の例は強調表現だったんですね。 これまでよくわかっていませんでした。
英語の歌など、確かに学校で習った通りになってない!って事は例を挙げれば
キリがありませんが、それほど言葉は柔軟であると言う事かも知れません。

by ぽぽんた (2016-07-01 23:02) 

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