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あなたのすべて / 桜田淳子 (再)

実は今回大ポカをしてしまいまして…
2年前に書いていた事をすっかり忘れていて、同じ曲の記事を書いてしまいました(>_<)
全部書き終わって「確かこの曲、まだだったよな」と思って確認すると…
すでにあるじゃありませんか(汗)
しかも多くのコメントまで頂いていて、盛り上がっていたのに…何で忘れてたんだろう。

で、今回はボツにしようと思ってクイズまで用意しておいたのですが、
いっそこのまま公開してみようと思い直しました。
今は、前回この曲について書いた記事は非公開にしてあります。

なので、憶えて下さっている方にとっては大いに食い足りない事と思いますが、
2年前とは違う視点で書けている部分もあると思いますので、良かったらお読み下さい。

私はこの曲が、自分で思っていた以上に好きなのかも知れません(*^_^*)

…以後気を付けますm(__)m

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今日(4月2日)、東京では桜が満開になったそうです(^^)

anatanosubete.jpg

「あなたのすべて」は桜田淳子さんの18枚目のシングルとして1977年2月に発売され、
オリコンシングルチャート最高6位(同年3月14日付)、同100位内に12週ランクされ
15.2万枚の売り上げを記録しました。

どちらかと言うと何かに構えて気張るような歌唱が多かった桜田淳子さんが、
初めて肩の力を抜き楽しむように歌っているように感じられた1曲で、
桜田淳子さん自身も「当時私が目指していた女性像に近い歌詞だったので、
歌うのがとても楽しかった」と述懐しています。


作家について

作詞はデビュー曲から絶えず作品を提供していた阿久悠氏。

作曲は「ねえ!気がついてよ」の大野克夫氏、「もう一度だけふり向いて」の穂口雄右氏に続き、
中村泰士氏、森田公一氏と言ったレギュラー作家が続いていた中では抜擢とも言える、
かつてはしだのりひこさんとグループを組んでいた和泉常寛氏が担当しています。

編曲は今回の「あなたのすべて」から「追いかけてヨコハマ」まで
5曲連続で担当する事になる船山基紀氏です。
その5曲は桜田淳子さんのキャリアで非常に重要なものとなるわけですが、
船山氏は桜田淳子さんについては「国本高校のセーラー服でスタジオに駆けつけた時に
お目に掛かっただけで、後は何一つ憶えていません」との事なのですが
(以前、何かの記事で書きましたね)、
高校の制服を着ていたと言う事はこの「あなたのすべて」のレコーディングだったのかな(^^)


歌詞について

桜田淳子さんの楽曲では比較的多い「です・ます」調です。
「行かないで」を「ゆかないで」と読ませるのは何か意図があると思うのですが、
詳しくはわかりませんm(__)m

桜田淳子さんはショートヘアのイメージが強かったので、この曲で2コーラス目の歌詞に
♪長い髪がゆれて♪
とあるのが、それまでの楽曲にはなかった新鮮さを感じさせます。
しかし次の「気まぐれヴィーナス」ではあっさりとショートヘアに戻っちゃうんですよね(^^;)


楽曲について

リズムがミディアムテンポの8ビートと言う、歌謡曲では最も中庸と言える種類の1曲で、
サウンドとしてはメリハリが強めのAORのようなイメージを持ちます。

キーはB♭(変ロ長調)で、途中で平行調の短調と行ったり来たりする部分はありますが、
他調への転調などはありません。
奇しくもほぼ同時期に発売されオリコン1位を獲得した山口百恵さんの「夢前案内人」
と同じキー、同じようなテンポ、さらに歌詞も同じ「です・ます」調と言う事で、
つなげて編集すると面白いかも、ですね(^^)

歌メロの音域は下のB♭から上のCまでの9度しかないので、それも桜田淳子さんが
楽しく歌えた要因の一つかも知れませんね。


歌を聴いて改めて感じるのは桜田淳子さんの音感の良さです(当時テレビで観ていた時は
あまり感じなかったのですが…)。
例えば「天使の初恋」「わたしの青い鳥」の頃から発揮されていたのが、音を探る事なく
正しい音程をまっすぐに発する事で、それが「あなたのすべて」でも適所で生かされています。
特にそれはCメロ(サビメロ)の中盤♪…いいのでしょうか♪の「か~」の部分に
注目して聴いてもらうとわかって頂けるのでは、と思います。

そのような歌い方はピアノのように音程変化が階段状である楽器を演奏する人に見られる事が多く、
典型的な例が松任谷由実さん、でしょうか。
岩崎宏美さんも絶対音感があるようにビシッ、ビシッと正しい音程を発声できるタイプで、
それは歌の説得力に大いに貢献する技術であると言えます。


前作「もう一度だけふり向いて」から顕著になってきたのが、
歌メロに低音域を多用するようになった事で、
高校卒業を迎えるにあたり大人っぽさを打ち出そうとする制作陣の意識が現れているのでしょう。


コード進行は平易ですが、所々でドミナントV7に代わりⅡm7/Vを使用していて、
それがギターの音色と相まって先述したようなAORっぽさを感じさせる一員となっています。


アレンジについて

全体に耳を惹くのはストリングスですが、
明らかに中心を支えているのは電気ピアノでしょう。

イントロが「ダンシング・クィーン」(ABBA)のようなダウングリスで始まり、
それ以後も基本の働きはコード感を充実させる事でありながら、
特に2コーラス目ではアドリブのようにかなり自由に演奏している事がわかります。

そして部分部分で他の楽器とコラボしているんですね。
例えばBメロの ♪そっと重ねたあなたのくちづけに…♪ の後ろでクルクルと回るような
フレーズをフルートと、
Dメロ ♪そして季節が…♪ ではその後ろで右のギターと、
コーダの最後のフレーズではホーン隊と、
それぞれ同じフレーズを演奏しています。

電気ピアノ(この曲ではRhodesですね)は柔らかく丸い音色ながら芯があり、
強く弾くとガーンとパーカッシブにもなるので、
他の楽器とよく馴染み、またフレーズを浮き上がらせる働きもしてくれます。
この曲でもそれが生かされていますね。

コラボと言えば間奏でストリングスのフレーズに続いてフルートと右のギターが
同じフレーズを演奏している箇所もあり、
1曲の中で色々な組み合わせの妙を楽しめる作りになっています。

そのような随所での組み合わせ演奏が、この曲全体に感じられる柔らかさ、
ほんわかとした雰囲気を醸し出しているのではないかな(^^)


ストリングスに戻ると、A'メロに入った時にベースラインをなぞるようなフレーズを
チェロ独特の音色で演奏しているのが右の方から聴こえ、
それがサビに向かって徐々に雰囲気を盛り上げるきっかけのような働きをしています。
「セッションに参加してもらう以上はミックスで消される事がないよう、
存在感のあるフレーズを演奏させたい」との船山氏の狙いが成功していると感じさせるフレーズです。

また歌メロの最後 ♪春になっていったのです♪ が繰り返される部分では、
1、2コーラス目には無かった駆け下がりのフレーズが2回入り、
それを含め手の込んだストリングス・アレンジであると言えますね。


サウンドについて

この曲で使われている楽器とその定位は…

左: エレキギター シェイカー

中央: ドラムス ベース 電気ピアノ フルート

やや右: ホーンセクション

右: エレキギター カウベル

そしてストリングスが左右に広がって定位しています。


ギターは左右ともほぼ音色で(よく耳にする音色なのですが名前がわかりません。
ご存知の方、ぜひご教示をm(_ _)m)、
左では主にコード、左では合いの手(オブリガート)を担当させていますが、
1コーラス目と2コーラス目以降とではフレーズがかなり異なり、
常に変化している印象です。
最後まで飽きずに聴かせる配慮でもあるのでしょう。

この曲のレコーディングは16トラックで行われていると思われるのですが、
ドラムスはステレオにせず中央にドカッと定位しています。
スネアの音も地味で、それは歌の邪魔をしないように、との音決めと思われるのですが、
ドラムス全体の音は低音域がややブーミーで厚いものになっています。


付記

以前にもどこかで書いた事ですが、この曲のオリジナル・カラオケについて。
ボックスセット「そよ風の天使」のカラオケCDに収められたバージョンは、
歌入りや後に紙ジャケシリーズに収められたカラオケよりも少々ピッチが低い
(速度が遅い)んです。
比較しないとわからない程度(それでも1/4音くらい)なのですが、
何だかビクターの復刻音源って「?」がつくものが多いなぁ…。


「あなたのすべて」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 和泉常寛
編曲 : 船山基紀
レコード会社 : ビクター音楽産業
レコード番号 : SV-6178
初発売 : 1977年2月25日

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コメント 14

hama-P

今週7日に淳子さんが出演するコンサートが開催されますし、
タイミング的にも、季節的にも、ぴったりの作品ではないでしょうか(^-^)
by hama-P (2017-04-03 11:19) 

もっふん

他のヒット曲の勢いとの兼ね合いかも知れませんがが、「夏にご用心」までの各曲と本曲の次の「きまぐれヴィーナス」は強く印象に残っているのに、「もう一度だけふり向いて」と「あなたのすべて」は私の中では中ダルミしていたかのように「良く聴いた」記憶が無いんですよね。不思議なものです。

手元に音源が無くてネットでもライブ映像しか見つけられない中、Youtubeで「ピッチが低い」と触れられたオリジナルカラオケを見つけたので、ぽぽんたさんの師匠(?)でもある船山基紀氏のアレンジ作品として襟を正して聴いてみました。

https://www.youtube.com/watch?v=XTkD68yZE9s

ぽぽんたさんが熱を入れて語られているローズの音がAメロ以外非常に聴き取りにくいのは私の耳の限界でしょうか(^^; これ、たぶんバンドで演る事になったら、グリスの部分とパラディドルになっている部分以外は「メロディを支えながらテキトーに弾いて」と採譜を諦めてピアニストに丸投げしていたと思います。

別記事で既に触れられていた「存在感のあるチェロのフレーズ」の実例を聴けたのは収穫で、「なるほど」と納得出来た気がします。確かにこれは省けませんね。

私が意外だったのは筒美京平氏が多用するエレキギターの「ン、チュクチューンチュクチューン」を船山氏も大量に織り交ぜておられた事で、このリフの元祖がどこにあるのかは存じませんが、70年代アイドル歌謡以外ではあまり使われないフレーズ、逆に言うとこのリフを聴くと時代を感じるようなオカズとして、当時は広く一般的に用いられていたのですね。

テレビやライブの事を考えると余り特殊なギターが使われているとは考えられませんので、シングルコイルピックアップ特有の細くアタックのシャープな音ならストラトキャスター(Fender)、ハムバッキングの太くてウォーミーな音であればレスポール(Gibson)であると思われ(勿論各メーカーからこれらを意識した亜流モデルはたくさん発売されていましたので完全な特定は難しいですが)、本曲を始めとする「軽めのサウンド」はほぼストラトであると思います。

ストラトには3つのピックアップがあって、音を混ぜる事で甘めの音(ハーフトーン)が出せたり、ネックが細く弦高が低めで速弾きにも対応しやすく、アーミングやボリューム奏法など、とにかく「いろいろ出来る」設計になっていたので、当時から現在に至るまで最もポピュラーなモデルでもあり、一人で様々な楽曲の伴奏を任されるバックバンドのギタリストには重宝していたと思います。

レスポールは敢えて例えればミニムーグのような重厚なソロに向いた音色で、ショルダーブレイカーと言われるほど重い筐体の奏でる芳醇なサスティンを持ったロングトーンは、これはストラトでは再現が難しいです。

本曲のギターは殆どアンプをオーバードライブさせずに歪みの少ない状態で、シングルコイルのキラキラした音色を生かしているように聴こえます。

シングルコイルを突き詰めて、ソリッドで攻撃的なアタックと繊細なサスティンを求めたモデルにテレキャスターがありこれが事実上の3番手ですが、ジャズやフュージョンで重用される甘くナチュラルな音色が特徴のセミアコースティックギターと同じく、その音色が演奏の個性を決めてしまう部分もあるので、独立して活動しているギタリストやバンドで使われるのが一般的です。

とは言え、前にお話ししたように、70年代の歌番組の伴奏がジャズビッグバンドのアルバイトであったことも多く、現場ではたくさんのセミアコースティックギターも使われていたと想像されます。それはスタジオにおいてもそうだったかも知れません。楽器本来の音色を生かすのではなく、イコライジングなどで個性を抑える方向で音作りされていた場合、素人が聴き分ける事が難しい場合もあるでしょう。

正直、私は余り耳が良くありませんし、「なーにを書いてるんだw」と言う本職(アマチュアであっても)のギタリストさんのご意見を待ちたい所でもあります。

-----

最後に、記事の内容とは関係ありませんが、先ほどローランドの創業者でMIDI規格を無償で公開した功績によりグラミー賞まで受賞された梯郁太郎の訃報に接しました。

リットーの雑誌で始めてMIDIの構想を読んだ時には「何台もシンセを繋ぐとか、こんな金のかかるシステムが一般化するはずが無い」と思った浅見も、どっぷりMIDIのお世話になりながらDTMしている現在の自分にとっては懐かしい思い出です。

梯氏のご冥福を感謝の気持ちとともにお祈りいたします。
by もっふん (2017-04-03 17:12) 

もっふん

追記です

★ビクターのチューニングについて

私の見た動画がオリカラのものだとすると、A=440HzでB♭として音を被せても1/4音もズレているようには聴こえないのですが、前に妄想として片づけた「ビクターのレコーディング基準ピッチは高め」伝説と関係あるんでしょうかね(笑)。

★ドラムについて

ブーミーと言うか、とにかく全体にチューニングが低いですね。ただ、バスドラムが「ベタッ」と聴こえるのはチューニングやイコライジングだけの問題ではなくて、ミュート材(アマチュアなら毛布が一般的。打面にガムテープを貼ったりもします)を詰め込んで、マイクも至近距離、と言うか、ひょっとしたら胴内まで突っ込んで収録している感じで、これは明らかに意図して作った音だと思います。

スネアドラムも、チューニングに加えてスナッピーを少し緩めるか本数を減らして、ガムテでも貼らないとこの音にはならないかなあ。当時はまだ深胴のスネアは無かったですし。「たぶん」ですが、フィルインに使うタムの音程を低くしたいと言うのが先にあって、タムを回した後のスネアの「ダカダカ」が浮かないようなバランスにしたのではないでしょうか。

そして、普通は歌裏でリズムを主導する2拍4拍のスネアの音量が「わざと」でなければあり得ないほど4つ打ちのバスドラに比べて小さいです。(別の楽器が2-4を強調しているアレンジであればこのようなバランスのミックスも良く耳にします)

想像できる理由は、ボーカルも含めて中高音域に美味しい要素が詰まっているので邪魔をしたくない事と、全体的にポップなアレンジであっても歌をしっとり聴かせるために、聴いている人を必要以上にリズムに「ノせない」、その代わりフィルインは腹に響くほど重厚に、と言った辺りの狙いがあったのではないかと思います。

あ、これ、船山先生には絶対黙っていて下さいね(^o^;

実は私もドラムのチューニングは低めの方が好きなのですが、DTMに使える音源には軽めの音が多く、この楽曲などは再現に苦労しそうです。

余談ですが、ブーミーに聴こえると言うこの音は、収録された生音ではもっと低音域が鳴っていたであろうと思います。低音は音圧が高いので、そのままミックスに回すとコンプレッサで全体の音圧を稼ごうとした時に非常に邪魔になる場合が多く、聴感上おかしくならない範囲でHPFで削ってしまう方が良い結果になると言われています。


いつも歌入りの原曲を聴いてのコメントしか出来ないので、今回はカラオケ音源をみつけたことではしゃぎ過ぎたかも知れませんが、ご容赦下さいませ。
by もっふん (2017-04-03 20:18) 

ぼたもち

ぽぽんたさん、こんばんは。
私もポカをしました。更新をまだかまだかと待っていたにもかかわらず、『また逢う日まで』のクイズを読み損ないました(;_;)
答えが出た後にコメントしたんですけど、どこかへ行っちゃったみたいです。これは届きますように。

ぽぽんたさんの過去の記事をなかなか読み進められなくてムズムズしてますが、たしかに記事を遡っていた時に『あなたのすべて』がありました(*^^*)
それだけ書きたいってことですよね♪
こちらも二度美味しいです。全然苦しゅうないですよ。ありがとうございます。

桜田淳子ちゃんは私の最初のアイドルで、自分で買った最初のレコードも淳子ちゃんでした。
淳子ちゃんが復活するということで、ここのところ昔の曲を聴いてたので、私にとってはかなりタイムリーでした。

なのに、淳子ちゃんの曲はなんだか似ているものが多い気がして、どれ(タイトル)がどの曲だったか、どの順でリリースされたか、時折ごちゃごちゃになります。
この『あなたのすべて』も『ゆれてる私』あたりの曲だったかな?と思ってしまうんですが、『きまぐれヴィーナス』の前だったんですねぇ。どうも森田公一さんの曲と混ざってしまって…私だけですかσ(^_^;)

イントロについて、ぽぽんたさんがおっしゃるような難しいことはわからないんですが、メロディーとちょっと異なった雰囲気のイントロがなぜか当時から好きでした。
それから、サビの「いいのでしょうかー」の「かー」も(^-^)
淳子ちゃん高い音も出せるようになったね〜と思っていたんですが、音域の狭い曲だったんですね。
余談ですけど、淳子ちゃんの高音で一番好きなのは、『もう戻れない』サビの「不幸になって〜」の部分です。

私も当時淳子ちゃんはあまり歌が上手い方ではないと思っていました。今聴くと意外と(って失礼ですね)しっかり音を取って上手なんですね。
『音程変化が階段状の歌い方』というのは、南野陽子さんの時もおっしゃっていましたよね。とてもわかりやすく納得です。

「行(い)かないで」を「ゆかないで」と歌っていることを意識していませんでしたが、そうですね、歌ってますね。
私が思うには、2番の「手を出せば指先がふれる場所に」の指先の“ゆ”と合わせたんじゃないかと…(笑)
その程度しか浮かびません(^◇^;)
by ぼたもち (2017-04-04 20:08) 

ぽぽんた

hama-Pさん、こんばんは!

そうなんですよね!実は記事を書いていた時にはその事はすっかり忘れていました(^^;)
hama-Pが担当されたブックレットに書かれていた淳子さんの言葉を無断で引用して
申し訳ありません。 それを読んでいてこの記事を書きたくなったんです(^^)

by ぽぽんた (2017-04-04 22:52) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

私はこの曲って、前の年までのもろアイドル路線から脱却を図った最初の曲のように
感じているんです。 「ゆれてる私」「泣かないわ」「夏にご用心」「ねえ!気がついてよ」
と、それまえの曲も良いのですが、当時私はその軽さがどうも気に入らなくて、
「黄色いリボン」や「三色すみれ」などの方がずっと中身が濃くて聴いてて楽しい、
なんて思っていたんですよ。
で、「あなたのすべて」はそんな軽さとは異質のものを久しぶりに感じた曲だったんです。
当時、高校に入ったばかり(このシングルの発売日は高校入試の日でした)で、
良い曲がこれでもかと溢れていた時代だったので、残念ながらピカイチな曲とは
言えなかったのですが、忘れられない曲であるのは確かです。

ローズの音は控えめのバランスなので、確かに細かいフレーズは聴き取りにくいですね。
これは書き譜そのまま弾いているとはとても考えられなくて、きっとキメの部分以外は
演奏者のセンスで弾いているのだろうな、と思います。
船山氏のアレンジですから、演奏はやはりハネケンさんか山田秀俊さんかな?

私はギターは全然詳しくないので、詳しく解説して下さって感謝です!
自分で音楽を作っていて、ギターが弾ければうんと幅が広がるのに…と
いつも思っているのですが、どうもキーボードだけで手一杯で(^^ゞ
なので以前、「SQUALL」(松田聖子)を作った時にバンド仲間にカセットの
4トラックにギターを入れてもらった事があって、それが完全に松原正樹スタイルで
今聴いてもカッコイイんですよ。

因みにベンチャーズのライブを2回観た事があります(メル・テイラーが
叩いていた頃です)。
ベンチャーズは私の兄がファンで、私も小学4年の頃から嫌という程聴かされたものです。
今も、きちんと練習する環境があればぜひギターもやりたい気持ちがあるんです、けどね。

ドラムスについてもすごくお詳しいですね! 私もドラムスについては
好みの音があるのですが、バンドでも私にとってドラムスは不可侵領域でして…。
読ませて頂いて勉強になります。 やはり…只者じゃない、ですね。
そろそろ正体を教えて下さいね(^^)
リズムパターンも含め、ぜひ色々ご教示下さい。

私は個人的には、ドラムス無しでサウンドを構築する事を研究しています。
ドラムスが入るとそれだけでカッコよく聴こえてしまうので、敢えて使わない…
と言った、ただの天邪鬼ですが(^^;)

by ぽぽんた (2017-04-04 23:31) 

ぽぽんた

ぼたもちさん、こんばんは!

このところ記事が間に合わずクイズを出させてもらう事が多いのですが、
自分としてはやはりどこか自責の念がありまして(^^;)
しかし性懲りもなくまたやると思うので、良かったらまたコメントを書いて下さいね!

私の過去の記事、読んで下さっているんですね。 本当にありがとうございます!
自分でも、ごくたまにですが読み返す事があって、もうすっかり書いた
内容を忘れているんですよね、これが(^^;)
だから今回のような事件(?)も起きるわけですが、数年前の記事を読んで
「これ、本当に自分が書いたの??」と驚いてしまう事も結構あって、
もしかすると記事を書いている時って別人になっているか、
何かが乗り移っているのかも知れません(^^;)
しかし間違いなく自分で書いていますので、安心して(?)読んで下さいね。

この「あなたのすべて」は、私からすると「アイドル時代の終わりを告げる曲」
と言うイメージも持っているんです。
次の「気まぐれヴィーナス」からの変貌が鮮やかだったので、
「あなたのすべて」までは純粋なアイドルとして、ある意味ネコをかぶっていたのでは、
とさえ思ってしまうんですよ。

桜田淳子さんの歌い方は全然器用ではないし、音域も広くないので「巧い」
とは違うと思うのですが、先に書いた階段状の音程の動かし方も含め、
生真面目な性格がそのまま表れているように感じます。
それに対しては、人によっては好き嫌いがはっきりと分かれると思いますが、私は好きです。

「ゆかないで」と「ゆびさきが」の説、なるほど!と思いました。
私は全く、本当に全く気づきませんでした。
「韻を踏む」とは違うと思うのですが、2番めの歌詞が出来てから敢えて
「ゆかないで」と歌わせる事を思いつくとは、阿久悠さんなら十分あり得ると思います。
ぼたもちさんは音楽、特に歌詞の感じ方がとても柔軟ですね。
私にとってとても良い刺激です。 ありがとうございます!

by ぽぽんた (2017-04-06 23:08) 

もっふん

松原正樹さん、去年お亡くなりになっていたんですね。知りませんでした。(´・ω・`)

歌モノのバックでリスナーにボーカルを気持ち良く聴かせながら(これが凄く大事で、「オレがオレが」で良ければ巧いギタリストは多いんです)、ジューシーで存在感のあるリードを弾けると言う貴重なギタリストの第一人者として、個人的に「日本のスティーブ・ルカサー」であると思っていました。(これまた異論が噴出しそうですが・苦笑)

松原さんのギターは殆どセミアコです。リードやリフしか弾かない時はハムバッキングピックアップのみのモデルで、オーバードライブさせた音はレスポールに似ていますが、ソリッドボディの重さではなくてボディの空洞部分で響かせるので、また違った色彩のサスティンがある、とされてはいますが、聴き分ける事は難しいかも知れません。

昨今の音楽シーンにおけるリードギターはリバーブとディレイをブカブカに掛けないと見向きもされないのですが、松原さんは最低限の歪み系とフェイザー、コンプレッサー以外のエフェクトはほんの味付け程度にしか使っていなかったと思います(ミックスの段階で手を加えられているケースはあります)。

セミアコはボディ構造を指す言葉なのでモデルや個体によってかなり音色が違い、松原さんはシャープなバッキング(カッティング)が必要な場面ではシングルコイルピックアップ搭載のものをお使いだったようです。

ストラトが「演奏技術的になんでも出来る」のに対して、セミアコはボディやピックアップを上手く選べばセッティング次第で「音色的になんでも出来る」とも言えます。(ご自身の求めるサウンドに辿り着いた後の松原さんは頑としてその音色を変えようとしませんでしたけど)

「これだ」と言う音の定義が難しい事と、私らの年代でセミアコと言うとラリーカールトンやリーリトナーに代表されるフュージョンのイメージが先行するので先のコメントでは説明を流しました。彼らが愛用した事で有名なGibsonのES-335はセミアコの代名詞とも言え、松原さんもお使いだったようです。昭和歌謡ネタで言えば「実はギター小僧」である野口五郎さんの愛機も335ですね。

ぶっちゃけ、これまで私の周囲にセミアコを使っている人がいなかったために、特徴を良く分かっていないと言うのが一番大きいのですが(^^;

70年代以降、参加楽曲は1万を越えるとも言われる(自称、だったかも)巨人ですので、先の記事では「ストラトじゃないかな」と書きましたが、スタジオで弾いていたのが松原さんならそれはセミアコでしょう。加工しない生に近い状態でも鳴ってくれるギターですし。

松原さんは20歳前に既に現場デビューされておられるので年齢も私とさほど離れておらず、今更ながらではありますが寂しさがひとしおです。
_
by もっふん (2017-04-07 17:41) 

sjghd

こんばんは。

「あなたのすべて」は、桜田淳子さんの春の歌では、「春のゆくえ」と並んで、一番好きです。
当時、繰り返し、繰り返し、聴きました。
また、観にいった「三人娘涙の卒業式」でも歌いましたので、印象に残っています。

ところで、4月7日(金)に「スクリーン・ミュージックの宴」を観に行っていきました。
桜田淳子さん、きれいで、素晴らしかったです。感無量でした。
by sjghd (2017-04-08 19:28) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

松原正樹さんについては、私が以前、会社で組んでいたバンドのメンバーが
AKA-GUYの曲「寒い午後」を持ち込んできて、それを演奏するために
じっくりと聴いたのが初めて強く意識したきっかけでした。
調べてみると、それ以前に松田聖子さんのアルバムなどでしっかりクレジット
されていたり、文献を読むと実に色々なレコーディングに参加している事を知って、
私にとってはスタンダード的な存在になっていきました。
私はギターの演奏スタイルとかも全く詳しくないので、もっふんさんのコメントと
互角に語れないのが悔しいところですが(^^;)、サウンド的に親しみやすい、
ルックスも親しみやすい…と、小学生的ですがイメージを持っています。
昨年2月に亡くなった時は「え、まだ若いのに」と驚きました。
4年ほど前にドラマーの青山純さんも56歳で亡くなりましたし、もしかすると
若い頃からのハードワークが影響しているのかな、と思ったりしたものです。

ところで、メールは届いてますか?

by ぽぽんた (2017-04-09 22:34) 

ぽぽんた

sjghdさん、こんばんは! お久しぶりです。

「あなたのすべて」、いいですね。 私は当時はさほどではなかったのですが、
この年齢で改めて聴くと、今とは違う「春」を感じさせる曲だなぁ、と聴き入ってしまいます。

桜田淳子さん、ご覧になったのですね! 羨ましいです。
テレビの報道は相変わらずひどいものですが、ファンにとってはどうでも良い事ですし、
今後もファンの前に登場する機会を増やしてほしいものですね。

by ぽぽんた (2017-04-09 22:43) 

もっふん

★「いく」か「ゆく」か、考える★

本曲以前の桜田さんの曲を見てみると、作詞家は異なりますが、

 「私の青い鳥」:どうぞ行(い)かないで
 「白い風よ」:あなたはどこへ どこへ行(ゆ)くの

この使い分けを見ても感じられるように、「ゆく」の方が少し文語的、詩的で「行く」の行為主体の人格や意思を尊重した丁寧な印象になります。それに対して「いく」の方が口語的、現代的で、話し手の方の意思が直接的に表現されますね。実際、「ゆく」の読みの方が古くから使われていたようです。
(※但し、「行って」のように促音便となる場合は「いく」しか使えませんし、「川崎行き」のように直前の母音が「い」の時は聴き取り易さを考えるならば「ゆく」が第一選択肢になります)

で、勿論そういうニュアンス、加えて歌い手の発音癖や声質を考えて「いく」か「ゆく」かが決められているものと思いますが、本曲の場合にはもう一つ作詞家の方から指示が出る理由になり得る要素があります。

それは、

 最初:「もうどこへも行かないで~」
 最後:「~行ったのです」

これ、「行く」の主体は違うんですが、「いかないで」で始めて「いったのです」で終わると、「なんだ、結局は行っちゃったのか」と聴こえてモヤッとする可能性があるので、私が作詞家であれば発音を変える事で明示的に区別したいと考えたと思います。

まあ、実際はそういう事は無くて、「行った」の部分も使えるものなら「ゆく」読みを使って全体の調子を揃えたかったのかも知れませんが、歌謡曲は背筋を正して聴く人は少なくて「聴き流される」場合が多いですから、いろいろと計算した上での「ゆかないで」だったのではないかと言うのが私の考えです。
_
by もっふん (2017-04-12 03:20) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんにちは! お返事が遅れて申し訳ありません。

そうですね、確かに普段使うのは「いく」で、歌詞などではよく「どこへゆくの」など、
文語的に使われる事が多いですね。
そんなところも、もしかすると阿久悠氏のこだわりなのかも知れません。
ただ、もしこの曲が今の時代に発表されていたら、やはり若い人だと
ピンとこないか、ひどければ「気取ってる」などと受け取られるかも知れませんね。
しかし当時も、聞いた感じのインパクトでは「ゆかないで」の方が強いと思いますし、
そういう事にこだわる事ができたのも、当時の作家にとって歌謡曲の芸術性を高められる、
とても良い時代だったと言えるかも知れません。

by ぽぽんた (2017-04-16 17:53) 

もっふん

★「いく」か「ゆく」か、考える -2-★

私の感覚ですが、最初のコメントで触れたように原曲が余り脳内に無い状態で

 もうどこへも 「い」かないで~ おねがいです~

と口ずさんでみると「い」の音が少々唐突で存在の自己主張が強く感じられます。

理由を考えてみたのですが、原曲のこの部分の母音をみてみると

 お~おおえお うああ(い)え おえあ(い)えう

「なぃ」「がぃ」は「あ」と「え」を繋ぐ連母音の一部と解釈すると、このフレーズが意図的にか無意識の感性かによって極力「い」の音が前に出る事をを排除して、丸く柔らかい音を選んで作られたのではないかと推測してみたくなります。

それまでの「快活で元気な女の子」のイメージで良ければ

 もうどこ「に」も いかないで~

と「い」の音を先行させて「いかないで」を合理化する選択肢もあったと思います。

原曲が「私の知らない所(心の手を伸ばしても届かない場所)に行かなければ良い」と言う若干の許容範囲を持つ(歩けない、近くにいたい、と言うのは自分都合の願望であると自覚していることになります)のに対して、「どこにもいかないで」は「私の隣を一瞬たりとも離れないで」と言う「自分のわがままで拘束する」色彩が強くなるかと思います。

「わがままを責めないで・・・だけどそれ以外何も望まない」

ぽぽんたさんが指摘されるように、「元気ギャル」を脱皮して、「愛する気持ちすら自分のわがまま」と受け止めるような控えめで大人の女性をしっとりと表現するには、「どこへもゆかないで」と言う、ちょっと古式ではあるけれども優しく柔らかい表現が適していたのでしょうね。

 「君は行くのか。そんなにしてまで」
 「着いて行きます。ねえ、あんた」
 「我は征く、さらば昴よ」

・・・おっしゃるように、今となってはちょいと時代錯誤感があって、まるで使えないわけではないけれども、よほどの狙いが無い限りは「使用注意ワード」となっている事も確かでしょう。

私自身もある詞で「どこへ行けば良いの」と「どこに行けば良いの」のどちらにするかで迷った事があります。結構、そういう些細に見える所で悩まされるのも、言葉が生き物だからなのでしょうね。
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by もっふん (2017-04-17 14:17) 

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