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君の誕生日 / ガロ

少し遅れましたが、マーク追悼…

君の誕生日.jpg

チャートアクションと作家について

「君の誕生日」はガロの5枚目のシングルとして1973年5月に発売され、
オリコンシングルチャートで1位を獲得し(同年6月25日付)、同100位内に21週ランクイン、
45.2万枚の売り上げを記録し「学生街の喫茶店」に続く大ヒットとなりました。

実際には「学生街の喫茶店」の次にシングル「涙はいらない」が発売されていましたが、
その後に「学生街の…」が大ヒットし、それを受ける形で制作・発売されたのが
「君の誕生日」だったんですね。

メロディーが美しく、聴いていてしみじみとしてしまう1曲ですが、
改めて聴くと、このような暗く地味な曲がなぜあれほどヒットしたのだろう?
と時代考察を始めたくなります(^^;)


作詞は山上路夫氏、作曲はすぎやまこういち氏の「学生街」コンビで、
アレンジもすぎやま氏が担当しています。

当時、FM東京「サウンドインナウ!」ですぎやま氏は自ら「今度のガロの新曲では
『学生街の喫茶店』のメロディーを間奏に使ってみた」と述べていました。

その時はそうなんだ!すごい!と単純に喜んだりしていましたが、
今考えると「君の誕生日」が「学生街の喫茶店」大ヒットの
二匹目のドジョウ狙いだったと認めた…事に近いですね(^^;)


私はこの曲は、同じすぎやまこういち氏作曲で1968年に大ヒットした
「花の首飾り」(ザ・タイガース)をベースに作られているように感じています。
それは冒頭の ♪君の~…♪と ♪花咲く~♪ に特に表れていますし、
全体を通して聴いてもやはり「花の首飾り」同様に
どことなくクラシックの雰囲気が感じられます。

そして歌詞のアイディアは、この2年後に大ヒットした野口五郎さんの「私鉄沿線」
に引き継がれる事になります。


楽曲について

構成はごくシンプルな2コーラス。 リズムは8ビートで、テンポはややスロー(95bpm前後)。
楽器の編成が少ない事も影響して静かで、大きく盛り上がるタイプではないようです。

先述のように間奏で「学生街の喫茶店」の歌メロが使われています。
先ほどは「二匹目のドジョウ狙い」などと書きましたが、
斬新なアイディアであった事は間違いないですし、
すぎやま氏の作であるからこそ実現したアレンジだったんですね。

終盤の ♪君は いない ふたり あの日♪ ではマークとトミーの
掛け合いで歌われています。


キーは Cマイナー(ハ短調)で、コード進行もシンプルで、
間奏以外では、コードもコード進行も特に難しい部分もありません。
その代わりに歌メロに意味を持たせたような作りであり、
実際、伴奏がなくてもハーモニーを感じるようなメロディーですね(^^)
今回も採譜しましたのでご参考までに…:
(画像上クリックで大きく見られます)
君の誕生日Score.jpg

サウンドについて

全体に音数が少なく、その分各音の音色を大切に録音されているのがわかります。
つぶやくような歌を引き立たせるミックスバランスも重要ですね(^^)


使われている楽器とその定位は:

左: ストリングス(Vn) エレキギター

中央: ピアノ ベース

右: ストリングス(Vn、Vla、Vc) アコースティックギター

ステレオ収録: ドラムス

エレキギターにはフェイザーが掛けられ波のような動きのある音に作られています。

ドラムスはタムの皮をやや緩く張り発音時間を長くしたような音作りで、
1973年前後のレコードで度々耳にするサウンドです。


最後に

昨年末、マークこと堀内護さんが胃がんで逝去しました。
ほんの数年前にテレビ出演して「今後はライブも精力的に行う」と語っていたので、
突然の訃報に残念な思いでいっぱいになりました。

1986年にトミーこと日高富明さんが亡くなっていたので、
残ったメンバーがボーカルこと大野真澄さんだけとなり、
ガロと言えば「学生街の喫茶店」、のイメージがより強くなりそうで、
それもやはり残念な気がします。

ガロは今後も再評価される機会のあるグループと思うのですが、
ガロこそデジタル音源ではなくレコードが似合うサウンドでは、
と個人的に感じてます(^^)


「君の誕生日」
作詞 : 山上路夫
作曲 : すぎやまこういち
編曲 : すぎやまこういち
レコード会社 : コロムビア(マッシュルーム)
レコード番号 : CD-183
初発売 : 1973年5月10日

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ハイレゾとエルカセット

ここ数年、目にしたり耳にしたりする機会の多い「ハイレゾ」なる言葉。

その定義はカタログや雑誌などに詳しく載っているのでここに改めて書きませんが、
現時点での印象はどうも「笛吹けど踊らず」で、
宣伝されているわりには浸透する気配が無い…と感じてしまいます。

私も、ハイレゾ対応と謳われている機材は全く持ち合わせていません。
唯一、ソニーのウォークマンNW-A16には関心があるのですが、
それはハイレゾ対応だからではなく、マイクロSDカードで容量を増やせるのが
最大の関心事なだけで(^^;)

CDが登場してからつい最近まで「デジタル対応」とのコピーが、
オーディオ機器だと何にでも付いていましたよね。
その「デジタル」が「ハイレゾ」に変わっただけで、
本質は何も変わってない気がするんです。

私自身は、オーディオに関してはハードにも大いに興味があるので、
これまでのCDとハイレゾを比較して、
規格的・性能的にどう勝っているかは理解できます。

しかし、それを一般の人が望んでいるか?
と考えると、それは必ずしもYesではないと思うんですね。

むしろ「ハイレゾで聴くならそれに対応した機器とソフトが必要」と言う事で、
「そんなの必要ない」と敬遠されているのでは、とさえ映ります。

製品を開発している方々に対しては大変失礼かと思いますが、
ハイレゾのような性能向上技術は、もうやる事がなくて仕方なく、
必要とは言えないとわかっているけど手を着けた…のが実際のところではないでしょうか。

そんなハイレゾを傍観していると、オーディオ全盛期を通過した方ならきっとご存知と思いますが、
私はエルカセットやDAT(Digital Audio Tape recorder)の顛末を思い出します。

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エルカセットは、カセットテープ(正しくは「コンパクトカセット」)の性能的な限界を破ろうと、
日本で開発され1976年頃から市販され始めた録音機器で、
オープンリールと同じ1/4インチ(約6.3mm)、それに伴い録音トラック幅も約2倍、
さらにテープ速度をカセットの2倍(約9.5cm/秒)を標準規格として開発されました。
アナログのテープレコーダーは、トラック幅が広いほどダイナミックレンジが、
テープ速度が速いほど周波数特性が高音域方向に広がり、また走行速度のムラも減るので、
コンパクトカセットよりも遥かに性能の良いレコーダーになった…はずでした。

また、音質向上だけではインパクト不足と思われたのか、
テープにコントロールトラックを設け、そこに記録する信号によって
曲の頭出しや特定位置間のリピートなど、それまで勘に頼っていた操作を
直感的にこなすための機能に対応していました。
それはあくまでも後々への「対応」であって、実際には
それらをきちんと生かしていた製品はほとんどありませんでしたが(^^;)

エルカセットを採り上げた記事の一例です(「playtape」1976年12月発行):
LCassette01.jpg
(画像上クリックで大きな画像が開きます)

エルカセットはその名の通り、テープ自体がコンパクトカセットの約2倍(体積では約4倍)
と大きく、対応するデッキは画像を見て頂くと分かる通り大変高価でした。

エルカセットは結局2~3年と言う超短命に終わりましたが、その理由については
画像の記事の前項に書いてあった解説が、まるでその後の運命を予知するような記述で
大変的を射ているので、そのまま転載すると…

「…(エルカセットは、オープンリール、カセットに続く)まさに第三のテープレコーダーとして
注目を浴びています。 しかし、このシステムの特徴をそのまま裏返せば、
音のクオリティの点ではオープンリールに一歩譲り、コンパクトという点では
カセットの方が勝ることになるわけで、(中略)いまひとつ商品としての説得力が
乏しいといった判断をされがちです。」

その通り!要は商品として中途半端だったんですね。

エルカセットは日本生まれのため、コンパクトカセットのようにその開発元の
フィリップス(オランダ)が厳格に管理していた規格に縛られる事なく、
より自由な製品開発が可能で、先述のコントロールトラックを利用して
新しい機能を加える事も考えられていたのに、
メーカーは「音質さえ良ければ必ず売れる!」と判断し、機能等が十分に練られる前に
商品化してしまい、結果的に失敗したわけです。

ここで重要なのは「音質さえ良ければ売れる」の部分です。
それは、エルカセット発売から40年近く経った現在も、
オーディオ機器を手掛けるメーカーが抱き続ける幻想と言えます。


現代は音楽を聴く手段がiPodやウォークマンに代表されるポータブルオーディオにシフトしていて、
自宅の部屋でじっくりと音楽を楽しむ習慣がかなり失われています。

ポータブルオーディオは自宅よりも外出先や通勤・通学時に使用されるのが主であり、
その際に高音の伸びがどうの、声の艶やかさがどうの…等はあまり気にされず、
それよりもハッキリした音でより多くの曲が聴ければいい、と思う人の方が、
より高音質で聴きたいと思う人よりも遥かに多いのが実情でしょう。

そのような情況においては、ハイレゾは言わば過剰品質なわけで、
しかもそのための音源は別に購入しなければならないとなると二の足を踏む、
あるいは全く関心さえ持たない人が大多数であるのは当然なんですね。


ハイレゾ対応として、従来の音源を新たにマスタリングしたり、場合によっては
ミックスからやり直したりと、付加価値に魅力があるソフトが増えるのは楽しい事ですし、
市場が変化すれば、例えばかつてのように自宅でオーディオを楽しむ風潮が広まれば、
その真価を発揮する事につながると思います。
私は個人的にはそうなってほしいと願っています。


しかし、CDが発売されて今年で33年経っており、その間に蓄積された資産をどうするのか。
それを整備する方が、ハイレゾを広めようとするよりも現実的ではないでしょうか。

例えば、CDの音声データを読み出し、それを多ビット・高サンプリング周波数で高精度で再構築し、
マスタリングやカッティングの際に失われたであろう音データまで復活させ、
改めて高精度にD/A変換する事で、従来のCDを何倍もの高音質で再生する、
その一連のプロセスをリアルタイムにこなすCDプレーヤー。
そのような製品が開発されれば、従来のCDが重要なソースであり続ける事が可能になります。

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話を戻します。

エルカセットが失敗に終わったのは先述事項以外にも色々な原因が考えられますが、
現実には、当時すでにコンパクトカセットが一般的に十分な性能に達していたために、
それ以上の性能の製品、あるいはまだ先行きの見えない製品に投資したいとは思われなかったのも大きい。

同じように、ハイレゾが広く普及する兆しが見えないのは、とどのつまり、
それが必要だとは思われていないからです。
mp3、flac等の圧縮音源の音質も、普段使いでは十分なレベルに達していると言う事でしょう。


ただ、私も含め、ハイレゾが如何なる力を秘めているか、十分知られていないのも確かであり、
性能云々を超えた次元で、例えば同じ音楽でもハイレゾで聴けば豊かな気持ちになれる…
などの効果が見出され、それが周知されれば普及は一気に進むものと思いますし、
今後の動向はぜひ、私自身も実際に自分で音質や可能性などを確かめながら
注視し続けていきたいと思います(^^)

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カリフォルニア・コネクション / 水谷豊

今は右京さん、ですね(^^)

カリフォルニア・コネクション.jpg

チャートアクション

「カリフォルニア・コネクション」は水谷豊さんの5枚目のシングルとして1979年4月に発売され、
オリコン最高3位(同年7月30日、8月6・27日、9月3日付)、同100位内に29週ランクインし
65.6万枚の売り上げを記録する大ヒットとなりました。

同曲は日本テレビで1979年4月から10月まで放映された水谷豊さん主演のドラマ、
「熱中時代・刑事編」の主題歌でした。

男性歌手の楽曲としては、この2年後に大ヒットする寺尾聰さんの楽曲に次いで声域が低く、
歌メロの音域も下のB♭から上のCまでの9度と狭いのですが、そのわりに起伏が大きく、
それを終始穏やかに歌い切るボーカルが何とも心地よい一曲です。


作家について

作詞は阿木燿子氏。 同年(1979年)には筒美京平氏とのコンビで
「魅せられて」(ジュディ・オング)を大ヒットさせています。

作曲は平尾昌晃氏。 氏には数知れぬヒット曲がありますが、
「カリフォルニア…」は前年の「カナダからの手紙」(平尾昌晃・畑中葉子)に続いて
その健在ぶりを証明しました。

全くの私見ですが、メロディーメーカーとしての平尾昌晃氏は、
音楽的な幅広さや心に残る旋律の多さで、
歌謡界で最高の作家であると思います。


そして編曲は、元はっぴいえんどのギタリスト、鈴木茂氏です。
鈴木氏のアレンジはドライなサウンドのイメージがあったので、
「カリフォルニア…」での、ストリングスが活躍するサウンドからは、
私は正直なところ鈴木氏のアレンジとは気づきませんでした(^^;)

しかしこの3年後から始まる堀ちえみさんのデビュー3部作、
八神純子さんの「Be My Best Friend」(1980年に発売されたベスト盤
「JUNKO THE BEST」に収められたAOR風の楽曲です)等々、
改めて調べると様々なタイプのアレンジがある事に気づき、迂闊でした(^^ゞ


楽曲について

リズムは基本は8ビートながら刻みは16ビートの複合タイプで、
120bpm程度のごく中庸なテンポと相まって、
穏やかさと緊張感が程よくミックスしています。

全体の構成は、オーソドックスな2ハーフです。

キーは Gマイナー(ト短調)で、他調への転調はありません。


イントロ、1回めの間奏、エンディングには同じ旋律が使われており、
それは一度聴けば憶えてしまうほどキャッチーですね(^^)
詳しくは楽譜を参照して頂きたいのですが、
そのフレーズはベースラインがそのままメロディーになった、
都倉俊一氏がピンク・レディーの楽曲などでよく使った手法なんですね。
と言うわけで、今回も採譜しました。

シンプルに聞こえますが、例えば DmとFの使い分け、CmとE♭の使い分け、
トライアドとメジャーセブンスの使い分けなど、
コードが適材適所で、その進行にロマンを感じさせる作りである事に注目し、
できれば原曲を聴きながらチェックしてみて下さい(画像上クリックで大きく見られます):
カリフォルニア・コネクションscore.jpg

アレンジはドラムス、ベース、ギター、キーボード、ブラス、ストリングス、ハープ等を
フル活用し、豪華なサウンドに作り上げていますが、
やはり特に目立つのは駆け上がり多用のストリングスですね。

ストリングスのアレンジは、1977年頃から日本でも多く聴かれたミュンヘン・サウンドを
意識して作られていると思われます。
そのフレージングは、西ドイツ(当時)の女性2人組歌手、バカラがヒットさせた
「誘惑のブギー」にかなり近いものがあります。


付記

私が初めて水谷豊さんを認識したのは、やはり萩原健一さん主演のドラマ
「傷だらけの天使」(日本テレビ、1974年)でした。
特に最終回での、水谷豊さん演じるアキラが病死し、ドラム缶に入れられ
萩原健一さん演じるオサムがそれをリアカーに乗せ夢の島に運ぶシーンは、
当時中1だった私にはかなりショッキングでした。

水谷豊さんはそれ以前にも、山口百恵さんのドラマ初出演作「顔で笑って」などにも
出演していますが、いずれも現在とは異なりワイルドな風貌とイメージでした。

「熱中時代」は先生編、刑事編のいずれも大ヒットし、私も毎週観ていました。
私は特に「刑事編」を熱心に観ていたのですが、ドラマの中で結婚した
ミッキー・マッケンジーさんと実生活でも結婚した時は驚きました(^^;)

歌の方も、「カリフォルニア…」の他に「やさしさ紙芝居」など、
きっとこれは役者だからこその歌唱であると思える楽曲があります。

ただ…近年「カリフォルニア…」が別アレンジでレコーディングされましたが、
やはり定例通り、オリジナルのインパクトには及ばない仕上がりでした。

しかしその独特な歌唱、またドラマのために初めてのピアノであったのに
4日間で「エリーゼのために」をマスターしてしまったエピソードなど、
音楽にも優れた才能を持っておられるようなので、
もしかすると34年前の寺尾聰さんの如く、誰も予期できなかったような
ヒットを飛ばす事もあるかも…そんなムーブメント、そろそろ欲しいですね(^^)

…ところでこれは私からの質問なのですが、
「カリフォルニア・コネクション」とはどういう意味ですか?


「カリフォルニア・コネクション」
作詞 : 阿木燿子
作曲 : 平尾昌晃
編曲 : 鈴木茂
レコード会社 : フォーライフ
レコード番号 : FLS-1044
初発売 : 1979年4月21日

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B'zと歌謡曲


これまでにも何度かちょろっと書いた事があるのですが、
私、B'zのファンでして(^^)
ツアーがある年には必ず一度は会場に足を運びます。
ライブを初めて観たのは少し遅くて、
1999年夏、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)での「Brotherhood」でした。
これまで最も多かったのは、私の生まれ故郷・東京都文京区の東京ドームかな。


初めてB'zの音楽を耳にしたのは、多分「カメリア・ダイアモンド」のCMでした。
それに使われていたのは「Easy Come, Easy Go!」だったので、1990年ですね。

当時は音楽プロダクションのビーイングがタイアップ戦略で急成長していて、
BBクイーンズ「おどるポンポコリン」が大ヒットし、
CMでは大黒摩季さんの「DA・KA・RA」やWANDS「もっと強く抱きしめたなら」、
DEEN「このまま君だけを奪い去りたい」、ZARD「揺れる想い」等々、
数年にわたって破竹の勢いでヒットを量産していました。

その頃はまだB'zのファンと言うわけではなかったので、
WANDSと区別がつかなかったのですが(^_^;)


月日は流れ、WANDSは解散、大黒摩季さんは長期療養中、ZARDの坂井泉水さんは死去…
と様々な変化があり、その中でB'zだけがデビュー27年目の現在も、
楽曲を出せば必ずオリコンチャートの1位を獲得する勢いを持ち続けています。

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ライブに行くと凄いですよ~(^_^;)
常に超満員なのは当然として、あの会場の一体感は他の追従を許しません。
時々「これはカルト教団か」と思ってしまうほどです。

私は耳が弱いのか、PAの音が強過ぎるのかわからないのですが、
常に音が割れて聞こえて、歌詞など全く聴き取れません。
終演後の数時間は半難聴状態になって困るのですが、
それでも「あのB'zの生演奏」が聴きたいんですね。

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B'zのファンにとって、最も大きな魅力は稲葉浩志さんのボーカルでしょう。

普段の話し声は男性の中でもむしろ音程が低い方であるのに、
歌となると突然1オクターブ以上に上がって、女性歌手さえ凌駕する声域となり、
ライブでは20曲以上、体を動かしながらも終始全く乱れず嗄れず歌い通してしまう。
ライブのパフォーマンスを何度観ても、またDVD化されたライブ映像を観ても、
とても人間技とは思えないその歌唱には畏敬の念さえ覚えます。


そして、ここからが本題です。

B'zの楽曲はそのほとんどが作詞:稲葉浩志さん、作曲:松本孝弘さんによるものです。
そして多くの曲のアレンジと全曲でのギター演奏は松本孝弘さんによるものなのですが、
そのメロディーやギターサウンドなどには、
多分に歌謡曲とポップスのエッセンスが感じ取れるんですね。

松本さんが歌謡曲好きなのは、ビーイング所属の女性歌手を総動員し
(稲葉さんも1曲参加しています)「THE HIT PARADE」なるカバーアルバムを
2003年に制作し、成功させた事でも明らかですが、
B'z名義のヒット曲にも、これはもろ歌謡曲と思える大ヒット「ultra soul」、
牧歌的でカントリーの雰囲気も持つ「Easy Come, Easy Go!」、
単純明快かつ豪快でやはりCMソングに使われ大ヒットした「裸足の女神」等、
キャッチーなメロディーとわかりやすい構成、そして充実したハーモニーで
歌謡曲に大いに通じる作品が数多く発表されています。


B'zは勿論、基本的にロックのバンドであり、
ギターサウンドが常に前面に聴かれるのが基本なのですが、
ディストーションでロックっぽいのにフレーズをよく聴くとペンタトニック歌謡だったり、
ギターソロのフレーズをチェックしたら有名な洋楽の歌メロに酷似していたりと、
曲を知るほどに「松本さんはメロディーがきれいな曲が好きなんだね」とわかります。

それは時に「パクってる」と揶揄される事があり、私も「これは確かに…」と思う事はあります。
しかし質の良いフレーズのアイディアを自曲に取り込む事は、コピーでない限りは
そのオリジナルに敬意を持っているものと解釈する事もできます。

ただ、DVDでライブ映像を観ていて「もう一度キスしたかった」のエンディングで
ギターソロになった時に「恋はみずいろ」のメロディーがさりげなく演奏されたのには
かなり驚きましたが(その会場で気づいた人はどれくらいいるんだろうか(^^;))。


B'zがいつまでも人気を保っているのは、歌謡曲やポップスを常に取り込んでいる事で
日本人が本質的に好むメロディーラインやフレーズが思い起こされ、
もっと聴きたい…と思わせる力につながっているからでは、と私は思っています。

もしかするとB'zは、昔よりもうんと小さくなってしまった歌謡曲やポップスの火を、
ロックと言う風防で目立たぬよう守っているグループなのかも知れません。


…とは言え、最新アルバム「EPIC DAY」の表題曲では、
「Burn」(ディープ・パープル)の有名なギターのリフのアイディアが、
わかる人にはすぐにわかるように使われていたりで、
隅に置けないグループであるのは確か、ですね(^_^;)

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