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ひとり歩き / 桜田淳子

ビクター続きですが…このジャケ写、好きです(*^^*)

ひとり歩きジャケ.jpg

チャートアクション

「ひとり歩き」は桜田淳子さんの9枚目のシングルとして1975年3月に発売され、
オリコンシングルチャートで最高4位(同年4月7日~21日付、3週連続)、
同100位内に16週ランクインし34.1万枚の売り上げを記録するヒットとなりました。
初主演映画「スプーン一杯の幸せ」の主題歌ですね。

蛇足ですが、小柳ルミ子さんの「ひとり歩き」(1978年)は別曲です。


作家について

作詞は、それまでの全シングルに引き続き阿久悠氏。

作曲は桜田淳子さんのシングルでは初めての起用となる筒美京平氏で、
編曲も担当しています。
桜田淳子さんは筒美氏について「プロの凄みと言うか、(音楽作りの)職人を感じました」
と語っています。
何を指してそのように感じたかは語られていませんが、この曲のレコーディングにあたり、
筒美氏からそれまでにはなかったような歌唱指導があったのかも知れませんね。


楽曲について(1)

リズムは8ビート。 キック(バスドラム)のステップ数が多く、やや速めのテンポと相まって
何か急いでいるように感じられるのは、歌詞の主人公の心情を表現しているものと思われます。

キーはGメジャー(ト長調)で、他調にわたる転調はありません。

1コーラスの構成は A-B-A' とシンプルで、どこがサビなのかが明確ではありませんが、
リズムが最も強いBがサビと判断してよいと思います(個人的にはAやA'の方が
インパクトが大きいと思うのですが)。

全体の構成は、歌謡曲の定番と言って良い2ハーフです。
ハーフでは1コーラス目の歌詞が使われています。

歌メロは8分音符がダーッとつながる、トッカータのような作りで、
それまでの桜田淳子さんの楽曲にはなかったものです。


楽曲について(2)

出だしのコード進行(G→Am→Bm→Em。C調にすると C→Dm→Em→Am)は
ありふれているようででなかなか見られないもので、
通常だと G→C→D→Em と流れるパターンになりそうなところです。

ドミナントの V7 の代わりにⅡm7/V が何箇所かで使われていますが、
それは「はじめての出来事」でも見られたので初めてではありません(^^ゞ
素直に V7 を使うとフォークっぽくなり、ポップスらしさがやや薄れる事があるため、
またドミナントをキープしながらメロディーにⅠ音(ド)を使いたい時のコード設定です。

筒美氏らしくサブドミナントで6thを「ここ!」と言う箇所で使っているのも印象的です
(Bメロの ♪私の前から…♪ の部分ですね)。

そのような事を踏まえて楽譜を眺めて見て下さい:
ひとり歩き score.jpg

この曲の歌メロの音域は下のGから上のCまでの1オクターブと4度で、
それまでの桜田淳子さんのシングルでは「天使も夢みる」と同じで最も広いものです。
推測ですが、この曲では最も低い音をきちんと出す事が大切…
と歌唱指導されたのではないでしょうか。


サウンドについて

シンセサイザーのメロディーが印象的なのは「はじめての出来事」と同じで、
この曲の後、「十七の夏」「泣かないわ」「もう一度だけふり向いて」などもそうですね。
「ひとり歩き」のシンセはちょっと、音がチープかな(^^;)

デビュー曲から前曲「はじめての出来事」まで、ビクター歌謡の王道を行くような
リバーブで曲の表情をつけ全体にしっとりさせた音作りが続けられていましたが、
「ひとり歩き」では作家に初めて筒美京平氏を迎えた事による変化なのか、
リズムを強調し楽器個々の音色をクッキリと出した音作りがされています。
ストリングスのサウンドを含め、この数ヶ月後に大ヒットした「ロマンス」(岩崎宏美)
につながる、ディスコミュージック的な音作りが「ひとり歩き」で
すでに行われていたんですね。

桜田淳子さんはアルバム「Thanks40~青い鳥たちへ」のブックレットで、
「ひとり歩き」の解説の中にビクターのエンジニア高田英男氏について書いているので、
音作りは変わってもエンジニアリングはそれまで同様に高田氏が担当していたようです。

「花物語」「三色すみれ」「黄色いリボン」そして「ひとり歩き」と、
一人二重唱(三重唱もあり)でミックスされた曲が散見されましたが、
以後、そのような多重唱はほとんど聞かれなくなりました。

「ひとり歩き」は桜田淳子さんの変声前の歌唱が聴ける最後に近い楽曲であり、
その夏には大人の声になっていったので、変声後の声質が多重唱には合わなかった、
または多重唱にする必要のないものに変わったのがその理由でしょう。
その意味では、1977年秋の「もう戻れない」で聴ける二重唱は貴重かも知れません。

尚、「ひとり歩き」の通常ミックスでは、Aメロ部のみ2つの声のバランスに差をつけて
(ソロのように聞こえるが小さくもう一つの声も入っている)いますが、
CD-4(4チャンネル)ミックスでは最初から最後まで、2つの声が同バランスで使われています。


「ひとり歩き」で使われている楽器とその定位は:

左: トロンボーン

中央: ドラムス ベース シンセサイザー フルート

右: タンバリン トランペット シェイカー エレキギター

・ストリングスは左から右へ第1・第2バイオリン、ビオラ、チェロと並べられ、
 音量バランスとしては第1バイオリンとチェロがやや大きめにされています。

・ピアノがステレオ収録で入っていますが、イントロや間奏などではほとんど聞こえません。
 CD-4(4チャンネル)ミックスでは、イントロからガンガン聞こえています。

・ドラムスもステレオ収録で左右に広がって定位していますが、中央にキックとスネア、
 左右にタム、中央付近からシンバルと、実物のパーツ配置とはかなり違っています。

・左のエレキギターはイントロや間奏などでメロディーの補助、その他ではコードの
 補強などを行っていますが、その音は地味で小さく、無くても支障なさそうです。


付記

この2月25日、桜田淳子さんのデビュー45周年の記念日にニューアルバム発売です!
…ってファンの方ならご存知ですよね。
ビクターからではなくインディーズなのはちょっと残念ですが、
3月に行われるライブイベントの優先予約ナンバーも封入されるとの事ですし、
何より40周年の時でさえ叶わなかった新録音によるアルバムが実現したのですから、
嬉しいですね。

不倫報道もそうですが、信仰等の超個人的な事をマスコミが必要以上にクローズアップし、
結果ファンにとって大切な偶像を貶める事になるのは、犯罪等を起こしたのではない限り、
本来はあってはならない事です。
現在も数多い桜田淳子さんのファンは、そのような報道に耐えながら長年応援を続け、
それに桜田淳子さんが応えて新しい活動につながったわけですから、これは快挙ですね。

ビクターからは、5年前にhama-Pさんの尽力で実現したCD/DVDセット「Thanks40
~青い鳥たちへ」の続編で「Thanks45~しあわせの青い鳥 LIVE ANTHOLOGY」
が発売されるとの事で、ファンにとってますます嬉しい反面、経済的にやや大変かも(^^;)
でもどうでしょう、10年ほど前にライブ盤のボックスセットが出ていますし、
ファンの方ならばその所持率が高いと思われるので、未発表音源満載ならばともかく、
ラジオ番組音源とDVDだけにして価格を下げる方が喜ばれる気がしますが(^^;)
しかし桜田淳子さんが自ら選曲・構成した「ライブベスト」との事ですので、
本人の思い入れが伝わる、そのあたりに価値がある…と言う事ですよね。


「ひとり歩き」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 筒美京平
編曲 : 筒美京平
レコード会社 : ビクター
レコード番号 : SV-1217
初発売 : 1975年3月5日

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